青春時代のきらめきがいっぱいのコーヒー
初めてコーヒーを飲んだのは中学生の頃で、自宅にあったインスタントコーヒーだったと記憶していますが、苦いだけで美味しさは感じませんでした。そして、その後美味しさに目覚め、毎日のように飲むようになったのは高校2年生からで、友人の影響が大きかったと思います。
私服通学で寄り道しやすい上、当時は個性豊かな喫茶店が数多くあり、習慣化するのに時間はかかりませんでした。なかには不良のたまり場と敬遠していた店もありましたが、今思うとさほど悪いこともしていなかったようです。
私と友人がいつも行ったのはアンアンという小さな喫茶店で、安くて美味しいコーヒーが目当てでしたが、目立たない場所にあり、他の生徒が出入りしないので恋バナに都合が良かったこともあります。
話は尽きることなく続き、お小遣いに余裕がある時はお代わりコーヒーを注文しましたが、お腹がすいても食事した覚えがないのは懐事情が許さなかったのでしょう。修学旅行の自由行動のプランも将来の夢も勉強の悩みも全部ここで話し、悩み、笑いました。
一度だけ友人が、ウィンナーコーヒーというものがあり、熱いコーヒーの上に冷たい生クリームが浮いていて美味しいらしいと言うので、別の喫茶店に行ったことがあります。ドキドキして待って出てきたものは普通のミルクコーヒーで、マスターが一言「混ぜておきましたから」あの時の絶望は今でもはっきり思い出せるほどです。
どちらの喫茶店もすでに無くなっていますが、きらきらした青春時代はいつでもコーヒーと共にあった気がします。