気になるコーヒーのお店で二度の衝撃!学生時代のお話
地元を離れて上京し、何もかもが楽しく、ついつい実家へ連絡するのも忘れていた頃のことです。友人と時々通る道沿いに、ずっと気になっていた喫茶店がありました。その日は午前の授業が終わり、午後いちの授業はみんな空いていたため、少し時間がありました。
「ここ入ってみようよ」
気になっていたあのお店へ行こうと一人が言い出しました。
みんな気になっていたあのお店、それは・・・名曲喫茶。
今時まだ名曲喫茶が?!ってか名曲喫茶って何?!と当時の私たちは通るたびに話していたのです。聞くところによると、名曲喫茶とはクラシックの名曲のかかる喫茶店だとか。それも親世代が学生のころのお話。
その時は友人総勢10人でいたこともあり、みんなで入ればこわくない、と突撃することに。
「いらっしゃい」
と声をかけてくれたのはマスターとおぼしき50代くらいの男性。
「コーヒーでいい?」
「は、はい。」
冷やかしの雰囲気満載だったので、メニューくださいとは言い出せない・・・。コーヒーが苦手な友人も紅茶くださいとは言えない・・・。
しかし何より衝撃的なのは、BGMでした。それはクラシックではなく、演歌!だったのです。
そりゃあ演歌だって名曲だけどさ、いいのかこれで?!
と、こそこそみんなで話していた最中に出されたコーヒーを口にした時、味はどう?と普段紅茶しか飲まない友人に聞かれて一瞬言葉につまりました。
それは父が淹れてくれるコーヒーと同じ味だったのです。お休みの日に父が丁寧に淹れる、モカコーヒーの味。
その日家に帰り、早速実家に連絡したのは言うまでもありません。