祖父と飲んだミルクコーヒーの思い出
私の家のご近所、と言っても、道路を挟んだお隣が喫茶店でした。いわゆる日本の昔からある、ちゃんとした豆でその場でサイフォンで入れてくれるコーヒーを飲める喫茶店です。
私はまだ子供でしたから、祖父に連れられてそのお店に行くと、必ず頼んでくれたのが、今で言うならカフェオーレ、当時は大阪では、ミルクコーヒーの事を、ミーコーと呼んでいましたので、そのミーコーをたのんで飲むのが楽しみでした。
カップは、耐熱のガラスで持ち手は金属製。
そこにアツアツの、ミルクと、いれたてのコーヒーでお砂糖はたっぷりでした。これがなかなかおいしくて、インスタントや、いわゆるコーヒー牛乳とは一味違い本格派の味だったようで、今大人になって飲んでいる本格派のコーヒーに匹敵する味でした。
またそのときに、ケーキがガラスのケースにあったら、頼んでも良いことになっていましたが必ず、ロールケーキでした。
よく考えれば、お客さんのオーダーが通ってから、その人の為にサイフォンで立ててくれるコーヒーは、贅沢なものだと思います。そのお店では、何とコーヒー豆を挽く機械もあって、祖父はお得意様のようで、注文が通ってから豆も挽いてくれていました。
今でも、カフェオーレを飲んだら、あの子供の時に飲んだ、おいしかったミーコーと、コーヒー豆のひきたての香りとともに、おしゃれにひげを生やした祖父の面影が思い出されます。