コスタリカのジャングルで出会った、野生のコーヒー
何年か前、ある団体が主催するネーチャリングツアーに参加して、コスタリカに行ったときのことです。ツアーの名前は「最後の秘境コルコバードと熱帯雲霧林をめぐる旅」。アメリカ経由で何十時間もかけてコスタリカの首都サンホセへ着きました。
疲れ果てて、ホテルで爆睡。翌朝みんなで、町に散歩に出ました。ちょうど通勤時間帯のようで、町は足早に歩く人たちでいっぱい。そして、アーケード街のあちこちに、スタンドで飲めるコーヒー屋さんがありました。周辺は、コーヒーのいい香り! 店の奥には、大量のコーヒー豆が量り売りされ、飛ぶように売れていました。さすが、コーヒーの本場、と感動しました。
そこで1泊したあと、サベグレへ。森のロッジへ泊まって、幻の美しい鳥ケツァールと出会ったり、雲霧林を散策したり。このときも、宿にはやっぱり、い~いコーヒーの香りが。ロッジのおみやげ屋さんには、ケツァール印のコーヒー豆が並んでいました。
そして、何よりも忘れられない経験は、その後行ったコルコバード国立公園のジャングルで、野生のコーヒーの木に出会ったことです。真っ赤な赤い実をつけて揺れていました。そんなに大きな木ではありませんでしたが、赤い実のなんと可憐だったことか! この実が、やがてたくさんの人の手を経、多くの行程を経て、香ばしく焙煎されて、世界中で愛されるあの飲み物になるんだな~と思い、とても感動しました。
コスタリカからのお土産は、もちろんコーヒー。帰りに再び寄ったサンホセで、通勤の人々に混じって量り売りのコーヒー豆をたくさん買いました。その後我が家では、コーヒーは手回しのミルで豆をひいて楽しむようになりました。