コーヒーと青春時代についての考察

「コーヒー」と私の青春時代は切っても切り離せないものがあります。元々喫茶店が大好きで、学生時代はずっと喫茶店でアルバイトの日々、おいしいコーヒーはどうやったら淹れられるのか?を常に考えていました。

当時付き合っていた彼女も大のコーヒー好きで、色んな喫茶店に行き、ああでもない、こうでもないとお互いのコービーへの思いを語る毎日。

そんなとき入った一件のお店。下北沢にある2階の古びた喫茶店です。入った瞬間に、歴史を感じました。飾ってあるレコード、流れる音楽、置いてある書籍の山、窓から見える景色、傷んだ木の机と椅子の数々。そして、大好きなコーヒーの香りが店中が溢れています。

席に座り、メニューを見ました。お勧めはフレンチローストということで早速注文してみました。コーヒーを待っている間に彼女と話をしながら、窓から見える下北沢の景色を眺めて、まるで時代が止まったかのような歴史の重みを感じ、視覚から入ってくるものだけでも飽きさせません。

また、マスターがランダムに選曲して流れているこだわりの音楽の数々。おそらくここでしか聴けないであろう音楽の一つ一つがとても素敵で、時間が経つのも忘れてしまうほどです。

そして、とうとう待ちに待ったフレンチローストが運ばれてきました。こだわり抜かれたコーヒーカップの中に淹れられた、こだわりの逸品、ミルクもたっぷりと付いていますし、もちろん砂糖もこだわりの砂糖、眺めているだけでも、ちょっとした芸術作品のようです。

コーヒーを口にしてみると大人の苦味の中に旨みと独特の香りが溢れ、ただのコーヒーとは違うことはすぐに分かりました。一口飲むたびに、その濃さ、コクに圧倒され、これまで私が飲んできたコーヒーと比べて、これまで飲んできたものはなんだったんだろうと思うほどの印象でした。

なんというか、若かった私がこんな言葉で表現するのも生意気ですが、「人生の味」がするなという印象を受けました。

それからというもの、そのお店にちょくちょく通うようになりました。何か物事をじっくりと考えたい時、落ち着きたい時、ほっとしたい時、いつもそのお店は私の人生と共にあります。

出会いとかすれ違いとか、あの時から時は過ぎ、私も年を取りました。様々な出会いと別れがありましたが、あのお店は今でも通っています。青春時代から始まり、今までずっと。

あの時感じた人生の味は、今なら口にしても良い言葉かなと思います。

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