コーヒーが結んだコーヒーマニアの上司との縁

以前働いていた職場の上司が大変なコーヒーマニアでした。様々なコーヒーを淹れる道具や機械はもちろんのこと、焙煎機まで持っていて、生の豆を自分好みに焙煎までするという熱の入れよう。よくご自分で焙煎した豆で淹れたコーヒーをご馳走していただきました。

ある日「ちょっと失敗しちゃったんだよ」と言って持ってきたコーヒー豆。どうやらご自分の好みより深く煎りすぎたとのこと。しかし、それで淹れていただいたコーヒーは、とてもコクがあって酸味が少なく、私はそこで始めて自分が深煎りのコーヒーのほうが好みなのだと知ることができました。

それ以来、私は自宅ではフレンチローストやその流れをくむベトナムコーヒー。外ではエスプレッソなど、コクがある深煎りコーヒーを飲むようになりました。

その上司のご自宅にうかがったときのこと。自慢げに見せてくれたのが最近購入したという「水出しコーヒーメーカー」。その機械を使って、とっておきのブルーマウンテンで水出しコーヒーを淹れてくれました。

私はそのときが水出しコーヒーの初体験だったのですが、一口いただいて本当に驚きました。雑味がまったくなく、コーヒーのうまみだけを抽出したような澄んだ味。日本酒で例えるなら上質の吟醸酒のような、すっきりしているけれど、だからといって薄いわけではない、今までに飲んだことがないようなおいしさのコーヒーでした。

その後もその上司は、新しいエスプレッソメーカーを買ったとか、コピ・ルアクというコーヒーの実を食べたジャコウネコの糞から取り出したという珍しいコーヒー豆が手に入ったなど、ことあるごとにご自宅に呼ばれては、自慢を聞かされる変わりにおいしいコーヒーをいただいたものでした。

現在ではその職場を辞して独立している私ですが、その上司とは今でも個人的な交流があり、ときには楽しくもおいしい時間を過ごさせていただいています。これもまた、コーヒーが結んだ縁とでもいうものでしょうか?

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