変わらないコーヒーの味にほっとしたこと

ニュージーランドに留学していたときのことです。

ホームステイ先に最初に訪れた際、「コーヒーと紅茶、どっちがいい?」と聞かれて、いつもはコーヒー派の私が、珍しく「紅茶」と答えました。行きの飛行機内でコーヒーばかり飲んでいたためです。

すると、ホストマザーは、私が紅茶しか飲まない人間だと誤解したらしく、紅茶の置き場をきっちり教えてくれました。コーヒーの場所も一応教えてはくれたけれど、早口でざっとした説明だったので、言葉を自由に話せなかったし聞き返すこともしませんでした。

しかし、何日かすると無性にコーヒーが飲みたくて仕方ない。コンビニで、コーヒー飲料のペットボトルを買いました。甘くておいしいんだけど、本物が飲みたい、と思うように。友人とマクドナルドに入った時に、「ホットチョコレート」という飲み物を頼み、それが甘過ぎて、甘党の私でも残してしまうほど。そんな甘すぎる飲み物を口にすればするほど、砂糖なしの、本物のコーヒーが飲みたいという思いが募りました。

そんなコーヒーを飲むチャンスがやってきたのは、私が帰国する頃。

私が帰ってしまうので、仲間が食事に行こうと誘ってくれました。食事会の後、本当に仲の良かった数名で、スターバックスに行きました。韓国人の友人がおごってくれました。そこで、本物のコーヒーにやっと出会えたのです。本当に感動しました、やっぱりおいしいんです。

日本でスターバックスに行くときは、必ずホイップクリームたっぷりの甘いコーヒーを頼みます。しかし、その時の私は違いました。甘さなんていらなかったのです。

今となって思えば、勇気を出してホストマザーに対して、コーヒーの場所や入れ方を説明して欲しい、と言えたらこんな思いはしなくて済んだのかもしれません。でも、小心者で、いつも仕事で忙しくしているホストマザーをつかまえて聞く勇気がありませんでした。

もちろん、帰りの飛行機ではコーヒーを選択しました。だって、留学していた一ヶ月近く、コーヒーを飲んだのは、ペットボトルとスターバックスのその2杯だけでしたから・・・。

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