え!また値上げ?1杯のコーヒーから見えてくる世界経済
2014年は消費税が5%から8%に値上げされ、経済に多くの影響を与えました。
同年、ドトールコーヒーは6年ぶりの値上げを行い、200円のブレンドコーヒーが220円となりました。
原料価格の高騰や消費増税の影響でやむを得ないことですが、2コインでおいしいコーヒーが飲めるお得感がなくなってしまったことは残念です。
それでも安くて美味しいコーヒーであることには変わりありません。
しかし、これ以上の値上げ、せめて300円は越えないで欲しいというのが消費者としては正直なところではないでしょうか。
スターバックスも同年、ラテなどの一部商品が値上げされており、続いて2015年2月はデザート飲料であるフラペチーノも20円程値上げとなりました。
ラテやフラペチーノは牛乳を使用していますが、バターなど乳製品の価格の高騰は記憶に新しいところです。
2014年時点では「原料価格の高騰ではなく、品質向上のため」の値上げとしていましたが、さらなる乳価の上昇の影響はさすがのスターバックスも避けられなかったようです。
夏はもちろん年中人気のフラペチーノの値上げは、ファンにとって痛手でしょう。
物価の下落や上昇が相次いだ2014
2014年は世界的な原油価格の下落が話題に上りました。
日本国内でも消費増税や円安の進行など、経済が大きく動いた年でした。
石油輸出国機構(OPEC)の減産見送り、新たなエネルギー資源として注目されているシェールガスの米国による量産が原油価格下落の原因とされています。
ブタンガス等の燃料や、ナフサなど石油化学原料の関連企業など、世界中にその波紋が広がっているようです。
また、日本国内では同年4月の消費増税によりマンション建設が減少した影響で鉄鋼の価格が値下がりし、多くの電気炉メーカーが打撃を受けています。
物価が安くなるという点では消費者側に好都合ともいえますが、関連企業へのダメージは計り知れません。
食品などの物価上昇
原油価格下落のニュースの一方で、畜産物やコーヒー豆、乳製品など、消費生活に影響する商品の価格は大幅に上昇しました。
また、アルミ、ニッケル、古紙などは円安の影響で価格が上昇しています。
畜産物に関しては、2013年に家畜伝染病である豚流行性下痢が7年ぶりに確認され、全国に広がったことが原因と言われています。
そしてコーヒー生産国ブラジルでの干ばつ、ジャマイカでは「ブルーマウンテン」の病虫害などがコーヒー豆価格上昇の原因として挙げられています。
遠因として中国でのコーヒー需要が拡大したためとも言われていますが、定かではありません。
国内シェア首位のUCC上島、AGF、キーコーヒーなど大手コーヒーメーカーは家庭向けの製品を30%前後の値上げに踏み切りました。
30%とはかなりの上昇率です。家庭でコーヒーを飲む人にも、カフェで飲む人にも影響する値上げです。
乳製品はというと、乳牛の餌となる輸入飼料の価格高騰が原因で値上がりしています。
その上円安は輸入に不利ですから、さらにその事態を増大させているのです。
1杯のコーヒーから経済を見つめる
コーヒー豆の輸送には当然燃料を使いますし、ガス燃料の焙煎機も数多くあります。
カフェのサンドイッチにはハムやベーコンが使われており、カップ用のスリーブ(火傷防止用に装着するペーパー)、テイクアウト用のカップトレーは古紙を使用しています。
コーヒー豆やミルクはもちろん、カフェ営業に関わるものの多くが経済と結びついています。
世界経済で動きがあれば必ず家庭生活に影響し、それこそコーヒー1杯の値段にまで関わってくるのです。
1杯のコーヒーには様々な人や物が関わっているということを改めて感じます。
これ以上の値上げが加速しないことを願いつつ、世界中の人々に思いを馳せながら1杯のコーヒーを味わってみませんか?