ボトル缶コーヒーはコンビニコーヒーに対抗できる存在になる?
コンビニでコーヒーといえば、今となってはセブンカフェのようなカウンターコーヒーが主流。缶コーヒーより安いし、夏でも淹れたてのホットを飲めて味もそこそこ。
でも私はカウンターコーヒーは買いません。なぜなら歩きながら飲むのに適さないから。
ですからコンビニでコーヒーを買う場合、歩きながらでも飲みやすいペットボトルかボトルタイプの缶コーヒーを選びます。
ただ、コーヒーの場合ペットボトルだとあまりおいしいものがないですね。ということで自ずとボトルタイプの缶コーヒーを買う頻度が高くなります。
同じ缶コーヒーでも従来の円筒タイプのものを買わないのは、ふたができないため。ふたができるボトルタイプなら、缶を持ったまま手をふっても問題ありませんし、中身が残ったままでもバッグの中に放り込めます。
私のような人が多いからというわけではないでしょうけど、今ボトルタイプの缶コーヒーのシェアが伸びているそうです。というか今調べたらあれは「ボトル缶」というそうですね。
コンビニのカウンターコーヒー出現以降、缶コーヒーの売上は下降気味の横ばい状態。この状態を打破しようと、各飲料メーカーはボトル缶コーヒーに力を入れるようになってきています。
ラインナップとしては、味や香りのよさを全面に出した高級路線が主流。実際、味が良いものが多い上、飲み口の部分が細くすぼまっているためか、ふたを開けた時により香りが立ち上ってきやすくなっているようです。
では、なぜ各社高級路線のコーヒーをより手軽なペットボトルではなく、ボトル缶で出しているのか?
確かに形状的に差別化しやすいということもあるでしょう。でもそれよりも重要なのが保存性。
ペットボトルというのは実は穴が空いています。もちろん飲み口のことではなく、ボトルを構成しているペット樹脂自体のことです。
ペットボトルの穴は当然人間の肉眼で見えるほどの大きさではありません。肉眼で見える穴なら液体がぴゅーぴゅー流れ出ます。そうではなく、ごく微細な隙間があって、液体は通さないけれど気体の一部は透過します。
ペットボトルビールがないのは、ペットボトルから炭酸ガスが抜けてしまうためと、酸素透過性があるため、外から入ってくる酸素に触れる可能性があるからだそう。
酸素が通るということは、内容物は酸化するということ。
もちろん、透過するとはいってもその量はごくわずかなので1日2日で簡単に酸化するということはありえませんが、工場でつめられて出荷され、それが消費者の口に入るまで何日かかるかわからないため、やはりその間に酸化して商品が劣化するリスクというのはあるわけです。
ちなみに、同じく酸化に弱い飲み物のペットボトル緑茶には、大量の酸化防止剤が添加されています。
酸化防止剤の多くはアスコルビン酸、つまりビタミンC。ビタミンCは緑茶にもともと含まれている成分なので、後から添加してもあまり違和感はありません。
コーヒーにも酸味があるものもありますが、それらの酸味はコーヒー酸やキナ酸由来のもの。アスコルビン酸とは酸味の性質が違います。
コーヒーをペットボトルで売るにしても、その味を壊すおそれがあるアスコルビン酸は加えられません。
しかし、アルミ製の缶は酸素を透過しないため、少なくともふたをあけるまでは酸化の心配はほとんどありません。
念のため、サントリーの「プレミアムボス ブラック」、ダイドーの「ダイドーブレンド BLACK 世界一のバリスタ監修」、UCCの「BLACK無糖 DEEP & RICHNEW」など、ボトル缶コーヒーの原材料を調べてみましたが、酸化防止剤などは添加されていませんでした。
おいしいボトル缶コーヒーが増えれば、コンビニコーヒーも油断できないかもしれませんね。