日本のスタバがティバーナを没個性化する方向性で来ているのが悲しい
筆者個人のことを言えば、スターバックスでお茶は飲みません。
お茶は自宅で自分で淹れたほうがおいしいので、せっかくなら自宅では淹れられないエスプレッソベースのドリンクのほうが飲みたいからです。
スターバックスがお茶にも力を入れていくというのは、以前何かのニュースで見た気がするのですが、日本でもそれが本格化するようです。
アメリカでは、スターバックスの本社が「ティバーナ」というお茶の専門店を買収して、スターバックスとは別に店舗を展開しています。
ティバーナは、日本では「紅茶専門店」と紹介されていますが、実際のところは日本茶、中国茶、台湾茶、ハーブティーなど100種類ものお茶を扱う総合的なお茶専門店。
日本にもティバーナとして店舗展開をするという話もありますが、どうやら日本では、まずスターバックス内でのメニューのブランドの一つとして提供される様子。
スターバックスジャパンの水口CEOは、ティバーナブランドのお茶を、コーヒー、フラペチーノに並ぶ柱の一つにしたいと表明しています。
10月からスターバックスで提供されるようになったのが「ゆずシトラス&ティー」。ホットとアイスが提供されており、ホットのほうの淹れ方が独特というか、ぶっちゃけバカジャネーノ?と思いました。
まず、カップにイングリッシュブレックファストのティーバッグと、柚子の皮、ピンクグレープフルーツ、ももの果肉を使ったソースを入れます。
ティーバッグといっても安物のダストではなく、アッサムとセイロンのブレンド茶葉を使ったものです。
そして、5種類の柑橘類を使ったシトラスジュースを、スチーマーで温めます。
このスチーマーは本来スターバックスラテなどに使うミルクフォームを作るためのもので、ここがスタバならではの発想といったところでしょう。
そして、温めたジュースをカップに注ぎます。
つまり、お湯で普通に淹れたお茶に香りや味を加えるのではなく、あっためたジュースそのものにお茶を抽出するということ。
ドトールのロイヤルミルクティーは、あっためた牛乳にティーバッグを投入するというやり方で、乳脂肪のためにお茶が出にくいという頭の悪いことこの上ないものですが、ジュースには抽出を邪魔する脂肪などはないため、ある程度は味は出るのでしょう。
でもこれ、フルーツフレーバーのお茶というより、お茶フレーバーのジュースです。話題作りのための釣り商品にしか見えません。
ちなみにアイスのほうはちゃんと淹れたお茶にジュースとソースを混ぜるだけだそうで、多分そっちのほうがお茶らしさを味わえるのではないでしょうか?
今回投入されたのは、このアホっぽい商品だけではなく、イングリッシュブレックファストとアールグレイという2種類の紅茶、緑茶にミントやレモングラスなどを加えたミントシトラス、カモミールティーに他のハーブの香りも加えたもの、そしてほうじ茶があります。
でもこんなのより、客の好みを聞いて茶葉や淹れ方を選んでくれるというティバーナの店舗そのものに進出してほしいんですけれど・・・。