鳥取が本物の「コーヒーの聖地」になることに期待

総務省が行った2015年の家計調査の中で、鳥取市が一般家庭でのコーヒー購入額が全国1位になりました。

これは、前年の26位からの大幅アップで、理由としてスターバックスが47都道府県で最後に進出した影響ではないかなどと考えられています。

鳥取珈琲文化振興会はこれで調子に乗って、「世界コーヒーサミット」を開催。

「コーヒーの聖地とっとり」まで宣言するという浮かれようですが、これはさすがにおまえらちょっと落ち着けと言わざるをえないです。

ただ、この結果はスターバックスの進出のせいで鳥取市民が突然コーヒー好きになったということではありません。もともと鳥取市には、下地がありました。

実は、スターバックスが進出する前の2012年〜2014年の調査で「コーヒー消費量」は鳥取市が全国で2位なのです。「コーヒー購入額」はコーヒー豆とインスタントコーヒーの家庭での購入額。

つまり、2014年までは鳥取市民はあまり家ではコーヒーを飲まず、外で飲んでいた。

コーヒー好きの下地があったところに、スターバックスが滲出したことでさらにコーヒー熱が高まった結果、購入額も上がったものだろうと考えられます。

もともとコーヒー好きの市民性で、消費量も多いのに、購入額は低かった。これは何を意味するかというと、おいしいコーヒーを飲める喫茶店・カフェが多いということです。

外で気軽においしいコーヒーを飲めるからこそ、わざわざ家で淹れるという人が少なかったのではないでしょうか。

一般社団法人全日本コーヒー協会の調べでは、平成26年時点での鳥取県の喫茶店数は399店。県人口は587,067人。人口を店舗数で割ると、1店舗あたり1,471人となります。1店舗あたりの人数が少ないほど、人口に対して喫茶店の数が多いということになります。

県単位で見ると、鳥取県は日本有数というほど喫茶店の数は多くありません。しかし、それでも1店舗あたり1,886人の東京は上回っています。

もっとも、市単位でのデータは見つけられなかったので、鳥取市単体ではどうなるか不明ですが・・・。

今話題の「サードウェーブカフェ」は、もともとは日本の職人気質なこだわりの強い喫茶店文化がモデルだと言われています。鳥取にも、そのような、豆の産地や品質からこだわる老舗が多いそうです。

これまで消費量も購入額も日本一で、喫茶店の多さやそのクオリティーの高さで知られる京都にはかなわないかもしれないし、京都を差し置いて「コーヒーの聖地」を名乗るのはどうなのよとは思いますが、鳥取に舌の肥えたコーヒー好きが多いということは確かだと思われます。

今はまだ、「コーヒーの聖地」と呼ぶには疑問も残りますが、これをきっかけに名実ともに聖地と呼べるようにがんばってほしいという期待もあります。

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