韓国ではものすごい勢いでカフェが増加中

日本ではスターバックスやタリーズコーヒーなどのいわゆる「シアトル系」カフェチェーンの他、ドトールやルノアールのような老舗チェーンから、昔ながらの喫茶店、マニアックなこだわりの専門店など、コーヒーを飲みたいと思ったときに店が見つからないということはまずありません。自家焙煎の専門店もそれほど珍しいものではなくなってきました。

そのような状態は、お隣の韓国でも同様らしく、というよりはむしろ「飽和状態」と言われるほどにコーヒー専門店があふれているようです。

スターバックスはもちろんのこと、日本では2015年の5月にやっと1号店がオープンしたばかりのアメリカ最古のカフェチェーン「コーヒービーン&ティーリーフ」、日本ではまだ関西圏でしか展開していないイタリア発の本格エスプレッソカフェチェーン「カフェ・パスクッチ」などの外資系に加え、地元韓国のホリスコーヒーやカフェベネ、エンジェル・イン・アスなどのカフェチェーンもそれぞれ隆盛を誇っているのだとか。

2014年の1年間で、これらのカフェチェーン全体を合わせ、韓国全体で999の支店が新規開店しましたが、その中でも最多数の376店を増やしたのが「EDIYA COFFEE」、次いでケーキのおいしさでも定評があるという「トゥーサムプレイス」は164店を増やしています。外資系では、スターバックスの121店増加が最多でした。

これほど多数の支店がオープンされていった理由は、2014年はカフェチェーンそれぞれが地方進出に力を入れだしたからというのが主な理由のようで、特に「EDIYA COFFEE」は、2015年にはさらに400店以上をオープンさせると鼻息を荒くしています。

地方進出熱の他に韓国で盛り上がっているのが高級路線。アメリカや日本では、産地を厳選した「シングルオリジン」豆を使い、一杯ずつ丁寧に淹れるという「サードウェーブ」カフェが広まってきています。そうした役割を、韓国では地元企業のホリスコーヒーと、スターバックスが担いつつあります。

「サードウェーブ」の話題の中ではやり玉にあげられがちなスターバックスですが、実はスターバックス自身もサードウェーブを意識した高級店舗「スターバックスリザーブ」を展開しており、日本にも東京を中心に55店舗あります。レギュラーメニューよりも割高だけれど、品質がよいこの高級路線は、韓国のコーヒー好きにも受け入れられており、今後も増加すると見られています。

店舗数では飽和状態と言われているものの、研究者による統計では韓国国民1人あたりのコーヒー消費量は、アメリカや日本と比べてまだ少ないということで、まだまだ潜在需要を掘り起こすのは可能だといわれています。また、日本人よりも起業への意欲が旺盛ということで、上り調子のカフェ業界に参入する人も少なくないのだとか。

ただ、専門家は今後はスターバックスのフラペチーノのような、主力のコーヒー以外のメニューを生み出していく必要性も指摘しています。

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