アイスコーヒーはおいしく飲めればどこ発祥でもいいという話
どこかの国の人達は、日本の文化を自分たちが発祥だと言いはることが好きですね。それを批判し、バカにする日本人も多いです。でも、実際のところ日本人もそれに近い気質をもっていたりします。
例えば、日本人が日本のよさを語るときの定番として「四季がはっきりしていて、四季に応じた生活文化がある」というものがあります。それ自体は間違っていないし、大いに自慢すればいいと思います。
でも、そこからなぜか「四季は日本にしか無い」などとバカな勘違いをする人もいます。これは私の妄想ではなく、実際そういう人がいたのです。「そもそも“四季”や“春夏秋冬”っていう字は中国から伝わったものでしょ?」と指摘してやると、ハッとした顔をしたのでこちらが驚きました。
そのような類のものにアイスコーヒーがあります。日本起源大好きさんは、「アメリカにはアイスコーヒーがない」という情報を聞きかじると「ではアイスコーヒーは日本発祥だ」などと言い出してしまうんです。
実際には、アメリカでは一般的ではないだけで、アイスコーヒー以前から存在していたし、日本から伝わったものでもありません。
フランス統治時代にコーヒー文化が伝わり、その後独自のコーヒーを発展させていったベトナムにも、以前からアイスコーヒーはあります。日本とは比べ物にならない暑さの国ですしね。
さて、こういう指摘をすると、今度は外国のアイスコーヒーは練乳が入っていたり、アイスクリームが乗っているアイスコーヒーというよりコーヒーフロートだから、日本のアイスコーヒーとは違うなどと言い出す人も出てきます。
でも、何が入ってる何が乗ってるなんて些細なことなんですよ。要するに「コーヒーを冷たくして飲む」という発想自体が問題なわけですから。自分自身に自信がない人ほど、日本が発祥であることにこだわって、間違いを指摘されると屁理屈で話をそらして小さなプライドを保とうとするんですよね。
そもそもコーヒー自体が外国から伝わったものなんだから、アイスコーヒーが日本発祥じゃなくたって別にいいじゃないですか。
さて、そんなアイスコーヒーですが、「眠気覚まし」の一杯としては、ホットコーヒーよりは劣るようです。
眠気を覚ますためにカフェインを摂りたいというときは、即効性がほしいもの。でも、冷たい飲み物の場合、腸が冷やされて吸収力が落ち、同じ量のコーヒーを飲んでもカフェインの吸収量は少なくなってしまうのだとか。
ちなみに飲み物は胃に入ってから5分ほどで腸に送られるので、体温で温められる間もなく腸に到達してしまいます。要するに、冷たい飲み物に触れた腸が、きゅっと縮こまってしまうので吸収力が悪くなるのですね。
そのような目覚まし効果ではなく、嗜好品としてアイスコーヒーを楽しみたいという場合は、ホットコーヒーとはまた違った工夫が必要になってきます。
豆自体のうまみをじっくり引き出したいというのであれば、水出しがオススメ。ただ、とても時間がかかる方法なので「今すぐ飲みたい」という時には適しません。
素早く淹れたいときは、普通にドリップして氷で冷やすというのが手っ取り早いです。でも、これだとコーヒーが薄まってしまうので、あらかじめ濃い目に淹れるようにします。お店によっては、アイスコーヒー用に、コーヒーのアイスキューブを用意しているなんてところもあるようです。
最後に、時間がかかってもいいから、おいしいアイスコーヒーを飲みたいという人向け。これは、以前あるネットの掲示板で教わった方法です。
ペーパードリッパーに好みの粉を入れ、そこに氷を乗せる。氷が溶けて量が減ったら、また足して、飲む分量に達するまでそれを続ける。名づけて「氷出しコーヒー」。
時間がかかるものの、放置しておけばできる水出しとは違い、時間がかかるうえに手間もかかりますが、それに見合ったおいしさになるそうですよ。