アイスコーヒーの苦みと美味しさの秘密
キリッと苦味のあるアイスコーヒーを渇いた喉に流し込む。堪らない瞬間ですよね!苦味が口の中をリフレッシュし、涼やかな気持ちにさせてくれるアイスコーヒーですが、何故アイスコーヒーはどれも深煎りなのか、考えたことはあるでしょうか?
実は濃く苦くなければならない理由があるんです。
人間がもつ5つの味覚の中で、涼しさを感じることができるのは苦味であり、この5つの味覚が最も効果的に表れるのは、実は飲食物が体温と近しい温度のとき。
この理屈でいうと、苦味を強く感じることで涼感を得られる、というわけですが、当然ながらアイスコーヒーは冷たい飲み物であり、ホットコーヒーと比べると効果的に苦味を感じることが出来ません。その鈍さを補うために深煎りにして濃く抽出する必要があったというわけです。
さて、アイスコーヒーが深煎りの訳を知ると、必然とアイスコーヒーに向く豆が解ってきます。アイスコーヒーは苦味もさることながら、フレーバーを楽しむ飲み物ですから、深煎りで抽出したとき上質なフレーバーが出るものをチョイスしましょう。
お勧めの品種は「ロブスタ種」と「アラビカ種」。ロブスタ種は安価で少量の豆でも十分な抽出が出来るため、深煎りにはうってつけです。ただし、ストレートで飲もうとすると、特有の土臭さと、強烈な苦味がキツく、美味しく飲むことは出来ないので注意。
二割程度を他の品種に加え、配合しましょう。配合相手はスタンダードにアラビカ種がお勧め。デリケートな品種として有名ですが、香り高く、苦味も抑え目でロブスタ種との相性はバッチリです。焙煎することで、アラビカ種の持つ酸味も和らぐので、バランスの取れたコーヒーが抽出されます。是非、お試し下さい。