飾りじゃない!?ドリッパーの溝の大切な役割
ペーパーフィルター用のドリッパーをよく見ると、内側に凹凸があることに気づきます。何のためにあるのかなぁと、不思議に思ったことはありませんか?(私はあります)
この凹凸を「リブ」と呼びます。
一見、汚れが落ちにくくなりそうで邪魔なリブですが、これがあることでペーパーフィルターとドリッパーが密着しなくなります。そしてこれが大切。
フィルターに入れたコーヒーの粉に上からお湯を注ぐと、粉の間にある空気は出口を求めて移動します。このときに、フィルターとドリッパーとの間にある空気の溝を使って、移動してきた空気も抜けていくのです。
では、なぜそれが大切なのでしょうか。
リブがなく、フィルターとドリッパーがくっついてしまっていると、押された空気の出口はドリッパー下部にある穴だけになります。そして、ここで抜けきれなかった場合、下もダメ、横もダメとなった空気は上へ抜けていくことになります。
せっかく蒸らしている粉を破り、ふわりと膨らんだ粉の山を噴火させて空気が抜けていくことで、膨らんでいた濾過層はしぼんでしまいます。これがいけません。
粉を平均的に蒸らし、その後の抽出を安定させるためには、この噴火を防がなければなりません。リブはそのために存在しているのです。飾りでも邪魔者でもなかったんですね。
また、密着させないことで、抽出後のペーパーフィルターを取りやすくもしているという「オマケ」の効果もあります。