ペーパーフィルター用ドリッパー、その穴の謎
よく見かける台形のドリッパーには、穴が1つのものと3つのものがあります。これは「メリタ式」と「カリタ式」の違いで、メリタが穴1つ、カリタが穴3つになります。
どちらもフィルターをセットし、粉を入れ、少しのお湯を注いで蒸らすところまでは一緒ですが、この後が少し違ってきます。
考えてみればわかると思いますが、穴が1つだけのほうが抽出に時間がかかります。そのため、メリタ式は蒸らしの後、1回で注湯を終了させてゆっくりとお湯を落とし、抽出を完了させるようにします。
このように1度できっちりと決められるよう、1杯分なら1杯分の粉とお湯の量を正確に量っておくことが大切。この時、フィルターが目詰まりしないよう、浅煎りの豆は使いません。中深煎りのものにするといいでしょう。
カリタ式は何回かに分けて注湯していきます。穴が3つあるので、1つが詰まっても心配いりません。ですから、浅煎りの粉も使えます。
また、抽出量を調節していくことで濃度を微調整することもでき、コーヒーの粉の焙煎や挽き方に多少のムラがあってもおいしく淹れることができます。
どちらがおいしい、どちらが簡単、とは一概には言えませんが、特徴を理解して丁寧に淹れていけばきっとおいしいコーヒーに出会えると思います。どちらにしても、ペーパードリップはコーヒー豆の持ち味をストレートに出してくれる方法なので、古い粉は使わないように心がけましょう。