コーヒーの出がらしで水質浄化できるようになるかもしれない
自宅でコーヒーを淹れていると、たくさんの出がらしができます。
でも、植物の肥料にするというのは別として、消臭剤にするとか、金属を磨くとか、そういうのは最終的に結局捨てるわけですから、結局ゴミの減量にはなっていません。
それでは、家庭とは比べ物にならない大量の出がらしが出るコーヒー産業ではどうしているのでしょうか?
例えばスターバックスは、出がらしを発酵させて牛の餌や野菜の肥料を作り、それを農家さんに提供し、できた牛乳や野菜はまた店舗で使うというリサイクルループを構築しています。
ところが、セブンイレブンやファミマ、ガストなどは、再利用せずただ廃棄しているだけのようですね。セブンやファミマは廃棄食品を飼料としてリサイクルしているようなので、コーヒーの出がらしも利用すればいいと思うのですが・・・。
いかにもコーヒーの出がらしがたくさん出そうな国というと、エスプレッソの本場・イタリアがあります。そのイタリアで、コーヒーの出がらしを利用した水質浄化素材が考えられているようです。
この水質浄化素材は、コーヒーの出がらしに糖とケイ素を混ぜて固めたもの。これを水に浸すと糖だけが溶けてその部分が微細な孔になります。ケイ素というのは、硝子や磁器の原料にもなる物質。
この微細な孔がある素材は、静水においては99%、流水では67%の水銀や鉛を吸着し、水を浄化する働きがあるとのこと。
構造や役割としては、活性炭などと同じで、活性炭による水質浄化は日本の河川や浄水場の一部でも行われています。でも、このコーヒーがらフィルターのポイントは、今まで捨てていたものを活用できる点にあります。
活性炭は、木炭やその他素材を原料としてわざわざ作るもの。コーヒーがらフィルターもわざわざ作るものではあっても、素材の大部分は廃棄するはずだったゴミ。
世界で大量に捨てられているコーヒーの出がらしを、こうした水質浄化素材として利用できるようになったら、飼料や肥料として使いきれなかった分も有効に活用できますね。