スウェーデン式コーヒーブレイク「フィーカ」で仕事効率もアップ?

コーヒーとお茶はどちらも世界中で飲まれている嗜好品で、例えばイギリスでは紅茶、フランスやイタリアではコーヒーと、国や風土によって飲用される割合が多いものは違ってきます。

インドなどでは、北部では紅茶を使ったインド式のチャイ、南部ではコーヒーが飲まれる割合が多いそうです。

また、イギリスのアフタヌーンティーや日本の3時のおやつ、香港の飲茶など、お茶や軽食などを中心とした一服タイムも、いろいろな国の伝統として受け継がれています。

日本ではあまり馴染みがない北欧スウェーデンにも、そんな一服タイムがあるそうです。スウェーデンではどちらかというとお茶よりもコーヒーのほうが好まれるようで、スウェーデンでのコーヒーブレイクは「フィーカ」と呼ばれています。

そもそも北欧では17世紀頃からコーヒーが広まっており、スカンディナヴィア半島で広く国境を接するスウェーデンとノルウェーは、一人あたりのコーヒー消費量の世界一を争うほどだとか。

スウェーデンでは、だれでも一日に一回か二回はフィーカの時間をとるそうです。多くは午後の2時~3時頃、二回取る場合は午前の9時~10時頃がフィーカの時間にあてられます。

日本でも、農家や工事現場などには同じぐらいの時間に休息時間をとる伝統が残っていますね。ただ、スウェーデンでは日本とは違い、野外の作業以外にオフィスなどでもフィーカの時間をとるようです。

フィーカではコーヒーとともに、シナモンロールやケーキ、チョコレートなどの甘い間食も楽しまれることが多いということで、仕事の間に小休止をとるとともに、エネルギー補給にもなっています。

しかし、最も重要なのはフィーカの間に同僚や仲間たちと団欒することだとか。それによって連帯感が生まれ、自ずから仕事の効率も上がっていくと言われています。

スウェーデンというと、カメラメーカーのハッセルブラッドや自動車メーカーのボルボなど、高性能の工業製品で有名ですが、それもフィーカによって仕事効率が高くなった結果なのかもしれません。

スウェーデンの文化交流協会はこのフィーカの習慣を海外に広める努力を重ねています。そのかいあって、最近ではロンドンやニューヨークにも「フィーカタイム」を提供するスウェーデン式のカフェができているようです。

ところで、スウェーデンというと「サルミアッキ」という独特のキャンディーを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか?

アンモニア風味が香る非常に「まずい」ことで有名なキャンディーです。『ストライクウィッチーズ』でもエイラ・イルマタル・ユーティライネン中尉の出身地「スオムス」のお菓子としてよくネタになります。

しかし、スウェーデンのお菓子はそうした変わり種だけではありません。スウェーデンの人たちはスウィーツ好き。3月25日に「ワッフルの日」、10月4日に「シナモンロールの日」などがあります。

ワッフルというとベルギーが有名ですが、スウェーデンでは各家庭にワッフルメーカーがあるほどの人気のお菓子とのこと。そして、シナモンロールは実はスウェーデン発祥のペストリーで、現地では「カネルブッレ」と呼ばれています。

スウェーデン文化交流協会は、フィーカとともにそうしたスウェーデンのスウィーツ文化も各国に紹介しています。

実は日本でもスウェーデンの伝統スウィーツのいくつかを味わうことができます。

日本にも上陸している大規模家具店「イケア」は実はスウェーデンの企業。

レストランではシナモンロールなどのスウィーツの他、日本では珍しいスウェーデン料理も用意されており、またショップでもスウェーデンのお菓子を買うことができます。

日本の、特にオフィスでは、長いこと休憩=怠けのような考え方がされて、休みもとらずに馬車馬のように働くことがいいことのように言われてきました。しかし、さらに遡れば10時や15時の休息時間をとる伝統もあったわけです。

最近ではきちんと休息をとることが仕事効率を上げることに繋がるという常識も広がり、オフィスでも取り入れられているものの、どうも日本では休息の取り方まで画一的になっているように思えます。

そうではなく、フィーカのようなコーヒーブレイクを気軽にとれるようにしたほうがいいのではなでしょうか?

ところで「フィーカ」の語源はスウェーデン語でのコーヒー「カフィー」をひっくり返したもので、いわば「ザギンでスーシー」的なもののようですね。

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