名古屋にハワイアンスタイルカフェが登場
名古屋というと、やたらオプションがついてくるモーニングセットや小倉トーストなど、我が道を行く不思議な喫茶店文化があることで知られています。
そうした特殊な部分だけ取り上げられがちな名古屋ですが、いわゆる名古屋式モーニングセットというのは、サービス競争が激化した結果生まれたものと言われており、つまり名古屋はそれだけのサービス競争をしなければならないほど、カフェ激戦区であるとも言えるのではないでしょうか?
そんな激戦区の名古屋に、ハワイアンスタイルのサードウェーブカフェ「マノアバレーカフェ」がオープンしました。マノアバレーというのは、オアフ島にある地名です。
何をもって「ハワイアンスタイル」というのかというと、実はこのカフェは、ハワイのサードウェーブカフェ「モーニンググラス」の創業者エリック・ローズ氏の全面サポートを受けているからなのです。
そもそもの発端は、居酒屋などの飲食事業や、ブライダル事業、不動産事業などを手広く行う名古屋の企業「ジェイグループホールディングス」の代表取締役・新田治郎氏がハワイのモーニンググラスを訪問し、感銘を受けたからとのこと。
新田氏はローズ氏に直接協力を願い出て、サポートを取り付けました。ローズ氏はあくまでサポートということで、マノアバレーカフェはモーニンググラスの支店というわけではありません。
とはいえ、サードウェーブの特長である産地を厳選したコーヒー豆、焙煎、味の劣化を防ぐために焙煎後2週間以内の豆のみを使うなどといったノウハウは全てモーニンググラス流。フードメニューもローズ氏のサポートを受けたカプレーゼサンドなどを提供しています。
バリスタは日本人スタッフですが、ハワイのモーニンググラスでも勤務した経験があり、これもサードウェーブの特長である、一杯ずつ丁寧にドリップするという淹れ方を貫いています。つまり、日本流に言えば別店舗とはいいながらも、「暖簾(のれん)分け」してもらったようなものだと言えるかもしれません。
サードウェーブカフェというと、アメリカからはブルーボトルコーヒーが直接乗り込んで来ていたり、日本の企業もその流れに乗った類似カフェを展開しています。しかし、モーニンググラスのハワイアンスタイルを味わえるのは、名古屋のこのマノアバレーカフェのみ。
関東圏に進出してもらいたいとも思わないでもありません。しかし、アメリカにもハワイアンスタイルのカフェがあるように、日本にも名古屋でしか味わえない「名古屋スタイル」があってもいいのではないでしょうか?
全国画一的なチェーン店より、地方ごとに特色があったほうが楽しい気がします。そういう意味では、マノアバレーカフェもやたらと外に広がるよりも、名古屋で独自の展開をして個性を発揮してほしいですね。