満を持して『ザ・コーヒービーン&ティーリーフ』が日本に降臨

世界的には有名で人気なのに、日本人だけが知らないものというのはままあります。例えば、スマホが普及する前に世界的に携帯電話のシェアを握っていたのはフィンランドのノキアでしたが、「ガラパゴス化」していた日本ではノキアを知っている人はあまりいませんでした。

世界的カフェチェーンでそれにあたるのが「ザ・コーヒービーン&ティーリーフ」でしょう。「ザ・コーヒービーン&ティーリーフ」は、1963年にロサンゼルスで創業の、カフェチェーンとしてはアメリカ最古の老舗企業です。スターバックスに先んじてヨーロッパのカフェ文化を取り入れ、「サードウェーブ」カフェに先んじて産地を厳選した「シングルオリジン」豆を使用しているカフェ業界のヴァンガード(指導的地位)とも言える存在で、世界25カ国に展開しています。

アジアだけでも中国、シンガポール、韓国、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、スリランカ、ブルネイ、カンボジアなどに出店していましたが、日本は長いことスルーされていました。その「ザ・コーヒービーン&ティーリーフ」が満を持して日本にも上陸しました。これは、「銀だこ」などを展開するホットランドの佐瀬社長の10年にも及ぶ根気強い交渉が実を結んだものです。

「ザ・コーヒービーン&ティーリーフ」は、2015年の5月に日本橋に1号店を開店させるや、8月までに全国に5店舗を次々と開店させました。

長い間日本をスルーしていた同社が日本に目を向けたのは、富士山や日本食などの世界遺産登録、そして2020年の東京オリンピックまでに訪日外国人旅行客を倍増させるという、日本政府の方針によって訪日数が増えた「ザ・コーヒービーン&ティーリーフ」の名前と味を知っている外国人客を取り込めると見込んだということも背景にあるようです。

ただ、外国人客ばかりを相手にするのではなく、抹茶系ドリンクなど日本人客に向けたオリジナル商品も提供しています。今後、スターバックスのように日本に定着できるかどうかが注目されます。

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