カフェインレスのコーヒーが増えているその理由とは?
通常はカフェインが多く含まれているコーヒーや緑茶、栄養ドリンクなどでカフェインをほとんど取り除いた「カフェインレス飲料」が多く登場しています。これらの商品は『コーヒーなどを飲みたいけれど、カフェインの摂取は控えたい」というユーザのニーズに応えた商品です。
過剰摂取は注意が必要
カフェインとはコーヒー豆や茶葉などに含まれている天然の食品成分です。東京福祉大学の栗原久教授(医学博士、神経行動薬理学)によると、カフェインには覚醒作用や交感神経刺激作用、利尿作用などがあり、適度に摂取すれば眠気防止や疲労の軽減、頭痛緩和などに効果があります。
コーヒーやお茶が昔から嗜好品として飲まれてきた背景には、このカフェインによる効果によるところも大きいと言われています。
しかし栗原教授は、大量に摂りすぎると胃炎や貧血、不眠症などにつながる可能性もあり、特に妊婦の場合は胎児の発育に影響を及ぼす可能性があるので注意が必要であるとも言っています。WHO(世界保健機関)でも「妊婦の場合コーヒーの1日の摂取量はカップ3~4杯にすべき」としています。
コーヒーに含まれるカフェインの量について、全日本コーヒー協会によりますとコーヒー100ミリリットルあたり約60ミリグラムであり、紅茶の場合は同量で約60ミリグラムです。
様々な呼び方
最近では妊婦でなくても多くの人が、カフェインなどを含まない比較的低刺激な飲料を好むと言います。その中で各飲料メーカーはカフェインを取り除いた商品を開発し販売しています。一般的に90%以上のカフェインを取り除いた飲料について「カフェインレス」「カフェインフリー」「デカフェ」などと呼ばれています。
ネスレ日本では2014年9月にコーヒー豆を細かく砕いた粒を混ぜた詰め替え用のコーヒー「ネスカフェ ゴールドブレンド カフェインレス エコ&システムパック」を発売しました。この商品ではカフェインを97%以上取り除きながらも深い味わいと香りを楽しめるようこだわっています。
キーコーヒーも2014年3月にはコーヒー豆の粉がフィルターにセットされている「ドリップ オン」シリーズで、97%以上のカフェインを取り除いた「カフェインレスコーヒー(5P)」を発売しました。このコーヒーでは香りや苦みのもととなる「クロロゲン酸」という成分は残されています。
授乳期の母親向け商品
お茶にもカフェインレスの商品があります。2014年4月にキリンビバレッジはペットボトル入りの緑茶飲料「キリン やさしさ生茶 カフェインゼロ」を発売しました。そして2015年4月には茶葉の量を増やしてお茶の甘みや丸みを引き立たせ「キリン カフェインゼロ生茶」に刷新しました。
栄養ドリンクにも通常はカフェインが含まれますが、栄養ドリンクでもカフェインレス商品が増えています。
明治は授乳期の母親など向けの栄養ドリンクとして「明治ビオママ ママUP」を2015年3月20日に発売しました。母乳で育児を行っている母親の中から「栄養ドリンクを飲めない」という声があり、カフェインを加えずに鉄分やビタミンB2を強化しています。
2015年3月30日にポッカサッポロフード&ビバレッジもビタミンCやレモン果汁などを配合している女性向け飲料「キレートレモン」シリーズにおいて、カフェインを含まないエナジードリンク「ENERGIE(エナジエ)」を発売しました。