アメリカでは無駄が減ったためにコーヒー消費量が減少!?それっていいことじゃ・・・
エスプレッソは、深煎りコーヒー豆を圧力をかけた熱水で抽出したコーヒー。つまり、熱水に圧力をかける技術がないと作れないということで、今日「エスプレッソマシン」と呼ばれる機械の原型が発明されたのは1901年。ゆえに、エスプレッソの歴史はおよそ114年ということになります。
エスプレッソマシンの発明は、エスプレッソという新しいコーヒーを生み出した革命的な出来事と言えます。それ以来のコーヒーマシンの革命と言われているのが、カプセル式のコーヒーマシン。日本でも、BSなどを見ているとたまにこのカプセル式のコーヒーマシンのCMを目にすることがあります。
カプセル式のコーヒーマシンは、一見コーヒーフレッシュのような小さなカプセルを機械にセットし、スイッチを押すだけでコーヒーができあがるというもの。種類によっては、数種類のコーヒー以外にもお茶にも対応し、茶葉の種類によって適切な温度で淹れてくれるというものもあるようです。
日本ではいまだあまり普及していないように見られる(ライター個人の認識です。知らないだけで実は普及しているのかもしれませんが・・・)カプセル式コーヒーマシン。アメリカでは非常に普及しており、なんとアメリカ国民の4人に1人が持っているとの統計も出ているとか。
日本のCMでよく見かけるカプセル式コーヒーマシンは、ネスレジャパンが開発した「ネスプレッソ」ですが、アメリカでシェアNo.1なのはグリーン・マウンテン・ コーヒー・ロースターズの「キューリグ」という商品で、アメリカだけでも2,000万台という驚異的な数を売り上げています。
しかし、この手の機械の販売で大きいのは、本体よりもむしろ専用カプセルのほう。その機械専用カプセルでしかコーヒーを作れないとなれば、一度本体を買ってしまったら、専用カプセルを買い続けなければなりません。「キューリグ」専用のカプセルは「K-cup」と呼ばれており、2014年には98億パックが売れたといいます。
カプセル式コーヒーマシンの特長は、非常に効率的であるということ。専用カプセルには1杯分の適正な量の粉がパッケージしてあり、例えば自宅でペーパードリップをする時のように、目分量で必要以上の粉を使うということがなくなります。
とはいうものの、1杯分ずつ専用カプセルにパッケージされていることで、ペーパードリップで多少無駄に消費するよりも割高になるのは確かです。
適正量のみが詰まった割高な専用カプセルの普及。これがもたらしたのは、コーヒー豆消費量の減少という結果でした。つまり、無駄に使われる豆が減り、カプセルが割高なので消費者がコーヒーを淹れる頻度が減ったことで、全体的な消費量が減るということになったわけですね。
或いは、通常の数杯分淹れるようなドリップ式のコーヒーマシンの場合、サーバーに入っているコーヒーの全てが飲まれずに、多少捨てられてしまうこともありますが、カプセル式はそいういう意味でも無駄がありません。カプセル式コーヒーマシンの普及は「台所の排水口という最高の顧客を失うことになった」などと言う業者もいるようです。
ただ、無駄が減ったために消費量が減ったということであるならば、その方が本来の適正な需要と言えるのではないでしょうか?消費者の無駄に期待するというのはおかしいと思います。
日本でのコーヒー豆消費量は、全日本コーヒー協会が発表している統計資料を見ると確実に増えていっています。これは、コンビニのカウンターコーヒーの普及によるところも大きいでしょう。
今後日本でカプセル式コーヒーマシンが普及していくかどうかは不透明ですが、自分で使う豆の量をコントロールできないカプセル式を買いたくないという方もいるかもしれません。それに、無駄を嫌う国民性もありますから、現在でも無駄になっている分量はそれ程多くはないはず。
「無駄が減ったせいで消費量が減る」ということは日本では考えにくいことかもしれません。