コーヒー界の「第三の波」は「第二の波」を打ち消すか?

アメリカのコーヒー業界には今「サードウェーブ」と呼ばれる波が起きています。そしてその波は、日本にも届きつつあります。

◆これまでのコーヒー業界の「波」とは?

「サードウェーブ」というからには、「ファーストウェーブ」「セカンドウェーブ」があったわけです。まずその2つがどういうものであったのかを見て見ましょう。

・ファーストウェーブ

アメリカにおけるコーヒーの「第一波」は19世紀末に遡ります。アメリカではすでに、コーヒーはある程度の普及を見せていました。その遠因となったのは19世紀初頭の米英戦争によりイギリスからの紅茶の輸入が減少したことです。

19世紀末になると、鉄道や蒸気船の発達により流通革命が起きて南米・中米から大量のコーヒー豆が新鮮なまま北米まで運ばれるようになり、コーヒーの値段が下がって社会に大量に供給されるようになりました。これがファーストウェーブです。

・セカンドウェーブ

セカンドウェーブは1980年代に起こります。それまでシアトルの小さなコーヒー販売店だったスターバックスがイタリアのエスプレッソ文化を持ちこみました。アメリカではせいぜいイタリア系移民しか嗜まなかったような、濃くてコクがある味はアメリカでは目新しいもので、スターバックスが全米に広がるとともに追随する類似のカフェも大量に増加。これがスターバックスのような「シアトル系」を中心に起きたセカンドウェーブです。

◆第一波、第二波がもたらしたもの

まずファーストウェーブがもたらしたのは、コーヒー豆の大量生産・大量消費です。そして、セカンドウェーブがもたらしたのは「味重視」ということでした。

しかし、セカンドウェーブは、実はファーストウェーブの流れの中にありました。つまり、味重視といっても全米中、世界中に広がる支店でできるだけ均一の味を出すために、複数産地の豆をブレンドしたり、同じエスプレッソマシンを使って自動的に同じ味のコーヒーを出すということが行われたのです。

◆サードウェーブとは?

セカンドウェーブ、つまり「シアトル系」の躍進により、スターバックスならアメリカでも日本でも台湾でもほぼ同じスターバックスラテの味を味わえることになりました。ここに安心感はありますが、同時にマニュアル化されたその味に不満を持つ人たちも現れました。

例えばワインの原料のブドウが産地によって味が違い、それによってワインの味も変わってくるように、コーヒー豆も産地によって個性が変わります。そうした豆の個性を重視し、ブレンドせずに単一の産地の豆を使う。自動的に機械で淹れず、手で一杯一杯のコーヒーを淹れる。

2000年代に入ってそのようなスターバックスのような世界的企業とは一線を画すカフェが現れました。それが現在サードウェーブと呼ばれているものです。ITの発達もサードウェーブの発生に寄与しています。それまで、商社や大企業が大量に扱っていたコーヒー豆を、小規模店舗や個人がネットを通してコーヒー農園から直接仕入れるということができるようになったのです。

そんなサードウェーブの流れの中で注目されているのが「コーヒー業界のアップル」と言われている「ブルーボトルコーヒー」。ブルーボトルコーヒーは、「シングルオリジン」をポリシーとして産地ごとのコーヒーの個性を重視しています。

世界中に2万店舗以上展開しているスターバックスに対してブルーボトルコーヒーはわずか10数店舗しかない小規模カフェですがGoogleやTwitterなどが出資しています。2015年2月には東京にも支店ができる予定です。これはブルーボトルコーヒーの海外進出第1号店となります。

今後サードウェーブによってセカンドウェーブが打ち消されることになるのか注目されるところです。

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