コーヒーが体を冷やすかどうかは特に気にせず飲めばいいと思う

素人が考えた健康法のたぐいでたまに見かける理屈に、体を冷やす性質のものでも、温かくして飲めば問題ないというものがあります。

これはいかにも素人考え。

漢方薬には非常に大雑把に言うと体を温める性質のものと、冷やす性質のものがあります。そもそも漢方薬というのは、エキス剤などができる前は生薬を煎じたものを飲むものでした。

それなのに、冷やす性質の薬が温めたら冷やす性質がなくなってしまうというのであれば、役に立ちません。

漢方薬にしろ食べ物にしろ飲み物にしろ、体を温める、冷やすというのはそれそのものが持つ温度ではなく、体に吸収されてからどのようは働きをするかによるので、温めて飲もうが関係ないのです。

コーヒーは体を冷やすか温めるか、実はわかっていません。冷やすという人もいれば温めるという人もいる。でもそのどちらも根拠といえるものはありません。

ただ、カフェインに利尿作用があるのは確かなこと。

排尿というのは体温を余分な水分とともに捨てるということでもあるので、カフェイン含有量が多いコーヒーは、どちらかといえば体を冷やすという仮定は成り立つと思います。

この点について、聞きかじりの漢方の知識で体内に水分が多くなると体を冷やすため、利尿作用で水分代謝がよくなると、余分な水分を捨てて体を温めることになるなどと唱えている人もいます。

ただ、そういう人は尿がどのようにして作られているか知らないのです。

例えば風邪をひいて熱を出したときなど、温度が高めの尿が出ることがあります。尿には体の余分な熱を吸収して排出するという役目も果たしています。

冒険家の植村直己さんが、冬山で体温を下げないよう極力排尿を我慢していたという有名な話も伝わっています。

コーヒーほどではなくともカフェインを含むお茶に関しては、緑茶は体を冷やし、発酵度が高くなると体を温める性質になると言われています。

お茶は発酵によってカフェインが減るとか、増えるとか、これもまたいい加減な情報が流れていますが、実際のところ緑茶も紅茶も含まれるカフェイン量に、ほとんど変わりはありません。

ですから、この性質の違いは発酵によって生まれるカフェイン以外の成分の影響による可能性はあります。例えば緑茶に多く含まれるカテキンは、発酵によって違う形に変化していくことが知られているため、そうしたものが作用しているのかもしれません。

とはいっても、発酵度によって体が冷えるとか温まるというのは、あくまで俗説であり、それほど信頼に足る情報でないというのも確かなのですが・・・。

いろいろ理屈を述べてみましたが、カフェインが持つ利尿作用などそれほど強いものではありませんから、あまり大量に飲まなければそれほど体への影響を気にすることはないでしょう。

逆に、カフェインが含まれていようがいまいが、水分を大量に摂取すると尿の量が増えるのは当然のこと。

排尿量が増えるということは、それだけ体温を捨てる頻度が増えるということですから、体を冷やしたくない人はその飲み物がホットであろうと飲む量は控え目にしておくべき。

コーヒーもお茶も嗜好品。双方長い歴史を持ち、広く親しまれてきたのは、よくも悪くも健康にはそれほど大きく影響を及ぼさないからに他なりません。

もちろん、腎臓病の人ならカリウムを制限するため、あるいは妊婦さんならカフェインが胎児へ悪影響を及ぼすのを防ぐため、コーヒーなどは控えたほうがいいでしょう。

しかし、そうした特殊な例以外では、常識的な量を飲むのであれば体を冷やすだの温めるだのといったことを気にする必要はありません。

健康というのは一杯の嗜好品などより、もっと総合的に考えるべきもの。食生活などを含めた生活習慣が乱れている人が、コーヒーのことにだけにこだわってみても無駄でしょう。

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