お茶の方がカフェインが「強い」ということは常識的には考えられない
以前堂々と「私はコーヒーにはカフェインが含まれるのでお茶を飲みます(キリッ)」と宣言した男性がいたので、「でもお茶にもカフェインふくまれてますよ」と言うと顔を真赤にしてぷるぷるしていました。
ところで、実はカフェインの含有量はお茶のほうが多かったりします。といってもそれは、抽出前のコーヒー豆と茶葉を比べたときの話。
飲料として抽出した場合は、やはりコーヒーのほうが同量のお茶よりカフェインが多くなります。
これはおそらくコーヒーは基本粉にしてから抽出するために、お湯に触れる面積がお茶よりも大きくなるためではないかと思います。
粉ということで言うなら、抽出というより茶葉そのものを粉にして飲む抹茶のほうがカフェイン量は多くなりそうですが、抹茶の場合一杯にそんなに大量に粉を使ったりはしません。
カフェインは水溶性なのか脂溶性なのか?
調べてみたところ、どうやら脂溶性の性質が強いものの、水にも溶ける性質をもっている模様。
水にも溶ける性質があるのですから、お茶もコーヒーも「水出し」にしてもカフェインは溶け出ます。
水温が高くなるほどカフェインが溶け出やすくなるとも言われますが、それだと同じ量でカフェイン含有量がレギュラーコーヒーより多くなる玉露の説明がつきません。玉露は普通50度から60度程度で淹れるものです。
といっても、ネットで「カフェイン量」でググると出て来る対比表は、どのぐらいの温度でどれぐらい抽出したものかまでは書いてないので、それが本当かどうかなのはわかりません。
同じコーヒー豆を同量使って温度を変えて抽出すると、カフェイン含有量に変化は出るかもしれませんが、性質が違うものを比べても参考値にしかなりませんね。
玉露は直接日が当たらないように覆いをかけて育てる茶葉でつくります。煎茶よりも茶葉が柔らかいので、低い温度で抽出してもカフェインが出やすいということはあるかもしれません。
ところで先日、ある医師がお茶のほうがコーヒーよりカフェインが強いので、朝の目覚めにはお茶のほうが適していると主張している記事を見たのですが、なにゆえそうなのか根拠が書いてありませんでした。
まさか玉露のカフェイン含有量だけ見て、全てのお茶がコーヒーよりカフェイン含有量が多いと思い込んだわけでもないと思うのですが、とすれば一般的にカフェイン含有量が少ないお茶のほうがカフェインが「強い」ことにはなにか理由がなくてはなりません。
カフェインがもたらす眠気覚ましの作用から考えるに、その「強さ」は明らかにどれだけの量を摂取するかに左右されます。であるならば、常識的に考えて含有量が多いコーヒーのほうが「強い」はずです。
もっとも、ハーブティーが「カフェインが弱い」などと書いてあるので、これを書いた人物の知識も疑わしいところ。
ハーブティーにカフェインを含むようなものはない上、茶葉にハーブや花を加えたお茶はハーブティーとは呼びません。本当に医師なのかどうかすら怪しいですね。