クロロゲン酸で体脂肪を減らすのも結局運動が必要

花王の「ヘルシア」といえば茶カテキン配合の「ヘルシア緑茶」ですが、ヘルシアシリーズにはいろいろなラインナップがあり、「ヘルシアコーヒー」というのもあります。

こちらは、コーヒーポリフェノール「クロロゲン酸」を配合したもの。

花王の公式サイトによれば、ヘルシアコーヒーを1日1本継続飲用した人は、脂肪消費率が130%上がったとか。

この効果をもたらしたのがクロロゲン酸だというのが花王の説明で、ヘルシアコーヒー1本に、レギュラーコーヒー2.5杯という270mgのクロロゲン酸が配合されています。

レギュラーコーヒー2.5杯分なら、わざわざヘルシアコーヒーを飲まなくてもいいじゃないかと思われるかもしれません。

でも実はそういうわけにはいかないのです。なぜならば、そもそもコーヒーの抽出液にはあまりクロロゲン酸が含まれていないから。

花王はフレンチローストのコーヒー豆10gを熱湯で150mL抽出したコーヒーから計測した値を根拠に、クロロゲン酸270mgをコーヒー2.5杯分と言っている模様。

しかし、クロロゲン酸というのは生豆に多い成分であり、焙煎によって分解されます。しかもフレンチローストというのはかなりの深煎りですから、クロロゲン酸はほとんど分解されてコーヒー酸とキナ酸になっているはず。

逆に、仮に本当にフレンチローストの豆で淹れたコーヒーにもクロロゲン酸がある程度含まれているならば、焙煎が浅い豆にはもっと分解を免れたクロロゲン酸が含まれていることになります。

であるならば、フレンチローストの豆を使って比較するのは、ヘルシアコーヒーのクロロゲン酸の量を多く見せかけるための恣意的な策だと言えるでしょう。

まぁそういう作為的に盛った量はともかく、クロロゲン酸に本当に脂肪消費率を高める効果があるのでしょうか?

花王による説明にいささか補足を加えながら説明すると、クロロゲン酸の継続摂取はACC2という酵素の働きを抑えるそう。

ACC2はアセチルCoAからマロニルCoAを作る酵素なので、これによりマロニルCoAが減少することになります。

マロニルCoAというのは脂肪酸の原料。つまり、細胞内でマロニルCoAが作られないと、細胞がエネルギー源とするための脂肪酸が減るので、外部から脂肪酸を取り入れるようになります。

また、マロニルCoAが減少すると、長鎖脂肪酸から作られるアシルCoAとカルニチンを結びつけてアシルカルニチンを作る酵素CPT-1が活性化するとのこと。

長鎖脂肪酸はアシルCoAという形になってカルニチンと結びつかないとエネルギー生産をするミトコンドリアの中に入れませんから、それゆえにクロロゲン酸の摂取によりもたらされたCPT-1の活性化は脂肪酸の利用率を高めるということになるのです。

ただこの機序は、あくまで花王の「推察」に過ぎません。

脂肪酸がミトコンドリアに運ばれてもエネルギー源として使われなければ減ることはなく、そもそも細胞で脂肪酸が使われるためには、体脂肪がリパーゼという酵素によって脂肪酸とグリセロールに分解されねばなりません。

リパーゼが分泌されるには、まずグルカゴンというホルモンが分泌されねばならず、そしてグルカゴンが分泌されるのは血糖値が下がったとき。

つまり、食事や間食でせっせと糖を供給している人はグルカゴンが分泌されず、体脂肪が分解されないので、いくら脂肪酸の利用効率が高まろうと体脂肪は減りません。

ちなみにカフェインでリパーゼの分泌が促進されるという情報もありますが、明確な根拠を示す研究成果などは見つかりませんでした。

要するに、ヘルシアコーヒーの効果が本当でも、食事の制限や運動などで血糖値を下げないと意味がありません。

そこをきちんと説明せず、ただ飲めば脂肪がどんどん減っていくような宣伝をするのはどうかと思いますね・・・。

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