体のカフェイン分解機能とコーヒーが好きかどうかの相関関係とは?
イギリスのエジンバラ大学の研究によると、コーヒー好きか否かは遺伝子が関わっているとか。
この研究ではイタリア人とオランダ人合わせて3,000人ほどを対象に、1日のコーヒー摂取量を調査するとともに、彼らの遺伝子が解析されました。
その結果、コーヒーの摂取量が少ない人には、「PDSS2」という遺伝子に変異が見られることがわかりました。
PDSS2遺伝子に変異があると、カフェイン代謝のために働く遺伝子の活動を抑制するそうです。それによりカフェインの代謝が遅くなります。
つまり、体内にカフェインが留まる時間が長くなるので、そのその間はあまりコーヒーを飲まなくなるというのです。
逆にその変異がない人はカフェインの代謝に働く遺伝子が邪魔されないので、分解が速やかなため、その分体の中にカフェインが留まる時間が短くなり、そのためにコーヒーを飲む量が増える=コーヒー好きということになるのだとか。
しかし、これは本当に信じていい情報なのでしょうか?
確かにコーヒーをカフェイン摂取のために飲むという人もいるでしょうけれど、カフェインうんぬんは関係なく、味や香りが好きだから飲むという人のほうが多いと思うのです。
それに、カフェイン含有量は確かにコーヒーが多いですが、カフェインを摂取するという目的で言うならば、紅茶でもチョコレートでもいいはず。
この研究によってわかったのは、カフェイン分解が速いか遅いかは遺伝子の変異の有無が関わっているということだけ。それをコーヒーが好きかどうかに結びつけるのはいささか強引過ぎると思います。
ちなみにカフェインは体の中に入ると、一部は肝臓で分解され、一部は血液とともに体をめぐり、脳で睡眠中枢を邪魔したり、腎臓の血流量を増加させ、尿を増やしたりなどしたあとにそのまま尿から排出されます。
肝臓でのカフェイン分解に働いているのがCYP1A2という酵素。CYP1A2は、グレープフルーツに含まれる苦味成分によって抑制されるともいわれています。
ですから、先にグレープフルーツを食べてからコーヒーを飲むと、カフェイン分解が速いタイプの人でも体内にカフェインが留まる時間を伸ばせるかもしれません。