コーヒーは空腹時より食事後に飲むのがおすすめな理由

コーヒーというか、カフェインには胃液の分泌を促進させる効果があるというのは確かな話。

とはいえ、カフェインが胃を直接刺激し、胃液が噴出するという単純な話ではありません。

一度吸収されたカフェインが脳細胞まで行き、そこでアデノシン受容体をふさぐことで脳が覚醒状態になってヒスタミンが分泌され、それが胃のヒスタミン受容体に結びついてそれでやっと胃液が分泌されるみたいなややこしい流れがあるわけ。

というわけで、コーヒーを飲んだら即胃液が噴出するわけではありません。とはいえ、空腹時に胃液がたくさん出るのはあまりよろしいことではないですね。

空腹時の過剰な胃液分泌は、胃の粘膜にダメージを与えて胃炎を起こしたり、また十二指腸に流れ出ると十二指腸潰瘍を引き起こしたりもします。

最近よく名前を聞く逆流性食道炎も、胃液が食道へ逆流したことが原因で起こる病気です。

よく、空腹時の胃液過多から胃を守るためには、牛乳を加えるといいなどと書いてあるものを目にします。

確かに、同じカップで一杯のコーヒーを飲むにしても、牛乳を加えたほうがその分コーヒーの量が減るため、カフェイン摂取量も減らせるでしょう。

牛乳を多めにすればある程度は有効な方法だと思われます。

しかし、カフェインによる胃液分泌促進は上記のように飲んで即効果が出るものではないため、牛乳の乳脂肪が胃壁を守るとは言え、それがずっととどまり続けるわけでもありません。

そもそも「牛乳を飲んだら粘膜が覆われて守られる」などというのも怪しい考え方なんですよね。

市販の牛乳はなぜ乳脂肪が分離しないのかご存知でしょうか?

牧場で絞りたてを殺菌しただけの瓶詰め牛乳を飲むと、飲みくちに脂肪が固まっていることがあります。これは乳脂肪が水から分離したため。

しかし、パックの牛乳でそうなることはありません。

市販の牛乳で乳脂肪が分離しないのは、脂肪球を粉砕して細かくする「ホモジナイズ」という処理がされているから。

そして、ホモジナイズ牛乳の乳脂肪は粒子が細かいため、速やかに腸に運ばれ、そこで消化されます。胃壁を覆っている暇などありません。

もっとも、ホモジナイズされていない牛乳を飲んだところで、流動性がある胃の中で胃壁に張り付いて保護するなどということができるとは思えませんが・・・。

牛乳はアルカリ性なので胃液を中和するなどという、中学生が読んでもおかしいことが分かることを書いている記事もありましたが、ph1の強酸である胃酸が、多少のアルカリ性分では中和されません。

そもそも牛乳はほぼ中性の弱酸性。だいたい、本当に胃液を中和などさせると消化機能に支障をきたします。

ただ、胃液の分泌が増えるのはよくないというのは空腹時の話で、逆に胃の中に食べ物が入っている時は胃液の分泌が促進されたほうが消化がよくなります。

ですから、食後のコーヒーというのは理にかなっていると言えます。もちろん同じくカフェインを含む紅茶でも緑茶でもいいのですが、より速やかにカフェインを摂るためにはコーヒーのほうがいいでしょう。

例えば、普段さっぱりしたものを食べる習慣があり、揚げ物のような重い食事が苦手な人が、おつきあいなどでどうしても食べなければならなかった時など、食後にコーヒーを飲んでおけば胃もたれなどを防げるかもしれません。

しかし、それも好みの問題で、コーヒーが嫌いな人まで無理して飲むことはないでしょうし、洋食の後ならともかく、和食の後にはやっぱり日本茶のほうが落ち着きますよね。

その辺りは、TPOや気分に合わせ、あるいは胃の調子と相談しながら決めればいいと思います。

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