お高いココナッツオイルコーヒーより運動したほうが安く痩せられるじゃない

2013年~14年頃、「ココナッツオイル」が流行ったことがあります。

ココナッツオイルは中鎖脂肪酸で、脂肪として蓄積されにくいのでダイエットにいいというのがその理由でした。

しかし今では日本ではすっかり廃れています。まあ、ダイエットネタのいつものパターンです。

中鎖脂肪酸が蓄積されにくいからダイエットにいいというのは、あまりにも短絡的すぎるし、風が吹けば桶屋が儲かる的なこじつけでもあります。

脂肪の多くは動物性、植物性かかわらず「長鎖脂肪酸」でできています。長鎖脂肪酸はリンパに乗って運ばれ、脂肪細胞や肝臓などに蓄積、必要に応じて分解されてエネルギー源になります。

一方、中鎖脂肪酸は腸から吸収されると直接肝臓へ運ばれ、分解されてエネルギー源として利用されます。

長鎖脂肪酸より中鎖脂肪酸のほうが効率よく使われるので蓄積されにくい。これは確かです。しかし、エネルギー源というのは使わなければ結局蓄積するのです。

いくら中鎖脂肪酸でも、消費しなければ脂肪になります。ココナッツオイルに限らず「脂肪燃焼効率がよくなる」系のダイエットはみんなそうです。どれだけ燃焼効率がよくなっても、燃やさなければ減りません。

ココナッツオイルのブームの流れとは別に、コーヒーにココナッツオイルとバターを加えてブレンダーにかけて作るという「バレットプルーフ・コーヒー」がアメリカで流行っているそうです。

これを考案したのは元シリコンバレーのIT起業家。彼はこのコーヒーを飲んで運動することもなく、カロリー制限もせずに45kg痩せたということ。

確かに真似してみて効果があったという声もあり、また、脂質摂取を増やすことで効率的に脂肪を代謝できる体質に変化するという一応の医学的エビデンスもあるもよう。

でも、お高いコーヒー(厳選された高品質コーヒー)にお高いバター(牧草だけを食べて育てた牛のバター)を使わないと効果がないそうで、だったら普通に食事制限して運動したほうが安く健康的に痩せられそうですが・・・。

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