妊娠期のカフェイン断ちはポジティブに考えて

妊婦はカフェインの摂取が制限されます。それは、妊娠中のカフェイン摂取が流産のリスクを高めるためです。

また、妊娠中は通常時より多くのカルシウムが必要となりますが、カフェインはカルシウムの排出量を増やすので、必要なカルシウムを骨から補うようになり、妊婦の骨がもろくなってしまうことも考えられます。

それに加え、カフェインは血管を収縮させる働きがあるため、血圧を高くします。

かつて妊娠中毒症と呼ばれていた妊娠時の症状は、現在では「妊娠高血圧症候群」と呼ばれており、妊婦のおよそ10%ほどがかかると考えられています。

妊娠高血圧症候群は腎臓に負担をかけるため、妊娠高血圧腎症という腎機能障害を引き起こします。

カフェインの摂取は、妊娠高血圧症候群を引き起こすリスクを高めます。

また、母体が摂取したカフェインは、胎児にも運ばれるために、胎児への影響も心配されます。

このような理由から、妊婦はカフェインの摂取を控えたほうがいいのです。ただ、100%断つ必要はなく、1日につき200mg以内であれば、大きな問題はないと考えられています。

カフェイン200mgは、レギュラーコーヒーだと300mL程度。紅茶で600mL程度、緑茶やココアで1,000mL程度になります。

ただし、これはあくまで目安なので、淹れ方、豆や茶葉の量でも変化します。実際にはこの目安より少な目にしておくほうが無難でしょう。

他に、飲み物ではなくてもチョコレートにもカフェインは含まれるので注意が必要です。

コーヒーは特にカフェイン含有量が多いので、コーヒーを愛飲している人はデカフェに切り替えて我慢しましょう。味の面での欲求であれば、それで満たせるはずです。

代替品としては、通常の2倍ほどの濃さでいれた麦茶も、コーヒーに近い味わいになるといいます。

麦茶にはカフェインが含まれないので、濃くしても問題ありません。濃い目の麦茶は、牛乳を加えるとよりコーヒーっぽく感じられます。

たんぽぽコーヒーはコーヒーとは名ばかりで、味はほとんど似ていないので、味の面での代替品にはなりません。

コーヒーへの欲求がカフェイン依存症であるならば、突然カフェインを摂らなくすると、頭痛や吐き気などの離脱症状が出ます。

我慢すれば1週間ほどでなくなるものですが、つわりがある時期に離脱症状が重なると苦痛でしょうから、少しずつ減らす方向で慣らしていくのがいいでしょう。

「我慢する」と考えるとストレスになるので、コーヒーを飲めない間に他のおいしい飲み物を探すというような、ポジティブな考え方に切り替えていけばいいと思います。

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