カフェインは頭の働きをよくするけれど摂り過ぎは逆効果
カフェインについては変な思想の自然食宗教の人がやたら否定的なことを述べているというイメージがありますが、最近ではまともな科学的調査で、健康に寄与することもわかってきています。
ということを言うと、今度は「摂取し過ぎると害がある」などということを言い出したりするんですけど、摂取しすぎて害があるのはなにもカフェインだけではなく、そもそも摂取しすぎても害がないものってあるんですか?
薬品にしたところで、飲み過ぎれば害になるし、量が足りなければ効果がないのは当たり前のこと。カフェインでもそのような「適量」があります。
2006年にシカゴ大学が発表した論文によると、脳の疲労をやわらげ、注意力を高めるカフェインの量は150mgだそうです。
50mgでは特に害も益もなく、450mgでは、精神が不安定になったり、記憶力が低下することもあったとのこと。
では、400mgぐらいまでは大丈夫だろうと思いきや、その後行われた調査によると、400mgでも脳の機能は低下気味になったということです。
ということは、およそ150mg~300mgぐらいまでのカフェインであれば、脳の働きにとってはプラスであると言ってよさそう。
ちなみに150mgのカフェインというのは、ショート缶の缶コーヒー1本~1.5本分ぐらいの含有量だそうです。
ちょっと意外だったのが、カフェインが多そうなユンケルやリゲインといった栄養ドリンク1本分のカフェイン含有量はわずか50mgだということ。
上記の研究では、少なくとも脳への効果はなさそうです。
ただ、ユンケルにはたくさんの生薬が配合されているし、リゲインにはビタミンが配合されていて、双方どちらかというと体の疲労を癒やす点をアピールしていますから、カフェイン量だけで評価すべきではないでしょうね。
脳の働きをよくするなら、コーヒーを飲んだほうが効率がよさそうです。
また、ブラックコーヒーとミルクコーヒーでは、ミルクコーヒーのほうがカフェインの持続時間が長くなるという研究もあるそうです。
ちなみに、この場合のブラックコーヒーとは、日本での意味ではなくアメリカ的な意味のブラックコーヒー、つまりミルクを入れていないコーヒーであって、砂糖を入れているか否かは関係ありません。
ブラックコーヒーの場合、効果が出るのが早く、そのかわり切れるのも早い。ミルクコーヒーの場合、効果が出るのが遅く、そのかわり持続時間が長い。この差はどうやら乳脂肪がカフェインの吸収スピードをゆるくしていることによるらしいです。
つまり、1杯目はブラックコーヒー、2杯目はミルクコーヒーを飲めばいいんじゃないかって気もしますが・・・。