糖尿病になりたくなかったら無糖コーヒー!?
イギリスのケンブリッジ大学の研究者は、1993年から1997年の間に当時40歳~79歳だった人およそ2万5千人の健康データを登録し、その後10年以上にわたる追跡調査を行いました。その結果、加糖飲料を無糖のコーヒーや紅茶に変えると糖尿病発症リスクが14%~25%減るということがわかりました。
うん、まあ砂糖たっぷりの飲料を無糖のものに変えたらそうなるのは当然かなって、素人でもわかります。
だから、こうした調査で重要なのはどういう結果が出たかではなく、素人でもわかるその結果が、実数としてどれぐらいの割合かを調べるということなのでしょう。
約2万5千人のうち、調査期間中に847人が糖尿病になりました。割合にすると0.03%と極小数ではあるものの、その847人は全員加糖飲料を飲む習慣があったそうです。
先天性の1型糖尿病と違い、後天性の2型糖尿病は生活習慣病です。
体内にインスリンがあってもその効果が発揮されにくい、または膵臓からのインスリン分泌量が少ないことで血糖値が基準以上に高くなってしまう病気ですが、そうした状態を引き起こす原因のほとんどは過食や肥満、運動不足、つまり血糖値が高く、エネルギーが消費されない状態が続くことです。
仮に遺伝的要因があったとしても、適切な生活習慣があれば2型糖尿病の発症はしにくくなります。
今回の追跡調査では、加糖飲料を飲む量を1日に1杯増やすごとに糖尿病の発症リスクが20%ほど上昇することもわかっています。そこからも、カロリー、とりわけ糖分の摂取が増えると2型糖尿病になりやすくなることは明らか。
ノンカロリーの人工甘味料を摂取する人の場合、糖尿病にかかるリスクが低下するという結果は得られませんでした。
これについて、研究者は人工甘味料飲料を摂取する人は、そもそも糖尿病発症リスクが高い肥満者が多かったために、有意な結果が得られなかったのだろうと見ています。
逆に言うと、普通の体型の人が人工甘味料の飲料を飲んでいれば、加糖飲料を飲むよりも糖尿病のリスクは低く抑えられる可能性も十分考えられるということです。
加糖飲料を飲む習慣がある人でも、1日の摂取量を減らせばそれに応じてリスクも減るという結果も出ています。
いきなり100%やめてしまうと、禁断症状に似た反動が出る場合があるので、少しずつ減らしながら、人工甘味料飲料なども上手に利用し、無糖飲料の割合を増やしていけばいいのではないでしょうか?
もちろんドリンクからの摂取カロリーを減らしたところで、食事や間食からの摂取カロリーが多かったり、運動による消費が少なければそれだけ糖尿病になるリスクは高くなります。
糖尿病を防ぐためには、飲み物だけではなく飲食全般に気を使わなければなりません。
バーバード大学の研究によると、コーヒー自体に糖尿病発症リスクを減らす働きもあるということなので、無糖のコーヒーを飲みながら適度な食事と運動を行えば、糖尿病だけではなくその他の生活習慣病にもなりにくくなるでしょう。