大豆コーヒーにはそんなにアミノ酸は含まれていないはず
以前、台所の収納棚の中に放置しすぎてガチガチに乾燥し、水につけても吸水しなくなってしまった大豆を、フライパンで炒ってから煮だした「大豆茶」のようなものを作ったことがありますが、なかなかおいしかったです。
実はそれと似たようなもので、大豆を焙煎してから抽出する「ソイコーヒー」なるものが実在するとか。
世の中にはすでに宗教だと言えるレベルの過度な思い込みによる自己満足的な健康法を実践している人々が大勢いて、そういう人たちはカフェインを毒かなにかのように嫌っています。というよりは、実際毒だと言い張っています。ソイコーヒーはそういう宗教まがいの健康マニアに人気があるのだとか。
そんなソイコーヒーの話題の中で笑ってしまったのが、ソイコーヒーによって必須アミノ酸を摂取できるという謎理論です。確かに大豆には穀物の中では特に多く蛋白質が含まれていて、アミノ酸スコアも“植物性にしては”バランスがいいほうです。
しかし、それはあくまで大豆そのものを食べた場合のこと。炒ったものから抽出したドリンクに、どれだけ蛋白質が含まれているというのでしょうか?まだ豆腐を食べたほうが多く摂れそうです。
さらに、女性ホルモンエストロゲンと似た働きをするというイソフラボンを摂取できるというのですが、イソフラボンというのは厚生労働省が摂取し過ぎると健康被害を及ぼすものとして、一日の摂取上限を30mgに定めているというものであり、必ずしも健康にいいと喧伝できるものではないのです。
まあ、ソイコーヒーなるものの味が好きで飲むというのならば何も言うことはないのですが、変な思想によって通常のコーヒーよりも良いものだなどと主張するのはやめてもらいたいものです。健康のためというならば、たんぽぽコーヒーのほうがまだマシではないでしょうかね?