コーヒーを飲むとポジティブになれる、かも?

日本でも飲食物が人間の体に与える効果がいろいろ研究されてはいますが、アメリカはちょっと規模が違うようです。

アメリカのハーバード大学は、コーヒーが健康に及ぼす影響を長期にわたって調査しています。これは、男女およそ20万人を対象に、コーヒー、コーヒー以外のカフェインを含む飲料(ホットチョコレートや紅茶など)、デカフェコーヒー(カフェイン抜きコーヒー)それぞれの摂取量を4年間ごとに統計をとり、被験者の体の変化などを記録するというもので、この調査はすでに5ターン、つまり20年間行われています。

非常に息の長い大規模な調査です。いかにアメリカでコーヒーが注目されているかがわかります。

20年間の調査で得られたデータは膨大。そのデータの中から、2014年は1日にコーヒーの摂取量を1杯分増やすと糖尿病発症のリスクを減らせるという研究結果が発表されています。

そして、2015年になって発表されたのは、コーヒーの摂取によって自殺数が減るというもの。WHOによるとアメリカの年間自殺者数は10万人あたり13.7人ですが、この調査の被験者約20万人のうち、20年の調査ので自殺した人は277人、これを10万人あたりの年間平均数にすると6.925人と、およそ半分であることがわかったため、そのような発表をしたようです。

自殺者数が減るというのは、現在ではあくまで統計から見た人数の対比のみが根拠で、コーヒーがどのようにその結果に関与してるかという原理についてはまだ解明されてはいません。ただ、ハーバード大学は、コーヒーが脳の働きを活発にしてポジティブな精神状態をもたらすのではないかという仮説を出しています。

また、コーヒーが脳の働きを活発にする効果は、うつ病に対しても有効ではないかと考えられています。コーヒーに含まれるカフェインが、脳を刺激して脳内物質セロトニンを増加させるという説もあります。セロトニンはうつ病の患者さんの脳内で不足しているといわれる物質で、カフェインによってセロトニンが増加するのならば、うつ病の治療にも効果があるのではないかと見られています。

ただし、これはまだ研究段階のことであり、臨床の現場では逆に精神科医がうつ病患者のカフェイン摂取を制限している場合もあるとのことで、研究段階の「一説」に飛びついてむやみに試してみるのはやめたほうがよさそうです。

フィンランドで行われた研究では、過剰にコーヒーを飲み過ぎると逆にうつ症状が現れるということも言われており、仮にカフェインがうつ病に対して有効であるといっても、摂り過ぎはよくありません。ハーバード大学も、一日に飲むコーヒーの上限は400ml程度にするべきだとしています。

そもそも、何事も摂りすぎれば体に悪いのは何でも同じです。水だって異常に摂取すれば命の危険があります。コーヒーは薬品ではなくあくまで嗜好品ですから、厳密な用法用量を守る必要はないとはいえ、カフェインという刺激物を比較的多く含むことは確かです。

たとえ心身ともに健全であるという人であっても、はやり過度に飲み過ぎるのは避けたほうがいいはずです。

「仮説」はあくまで「仮説」ですから、今後の研究によって覆る可能性もあります。まずは、ハーバード大学による研究が進められるのを待ちましょう。

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