コーヒーを飲むと妊娠糖尿病予防になるのは本当か
コーヒーやお茶を飲むことで、糖尿病の予防効果があるという報告が複数上がってきています。
妊娠初期にコーヒーを飲むことで、妊娠糖尿病を防ぐ効果があるという検証結果が報告されています。これはBJOG誌(国際的な産科・婦人科専門誌)の2015年2月号でアメリカの国立衛生研究所の研究グループが報告しました。
7万人を超える妊婦を対象として調査を実施
コーヒーやお茶を飲むことにより、妊娠していない成人女性については2型糖尿病のリスクが低下する関連が発表されています。
今回、研究グループはデンマーク国内で生まれた子供について1996年~2002年の間、継続した追跡調査を行いました。7万人を超える集団を対象とし、糖尿病にかかっておらず単体妊娠の女性に対し、妊娠初期の時期にお茶やコーヒーを飲むことと妊娠糖尿病(GDM)に対するリスクの関係を検討しました。
関係のある低下は認められない
この研究の中で全体の8割を超える5万8,000人程度はコーヒーやお茶を飲用したと報告しており、そのうち妊娠した人の中の1.3%にあたる912人は妊娠糖尿病になりました。
また、逆にコーヒーやお茶を飲まない人の場合でも妊娠した人の1.5%が妊娠糖尿病となっており、コーヒーやお茶を飲んだ量と妊娠糖尿病の発症率には関係が認められませんでした。
その後、年齢などの条件を整理して調整した結果、傾向として妊娠糖尿病を減らす傾向は認められたものの、統計学的に意味のある差異は認められなかったと報告しています。
この研究から、コーヒーや紅茶を妊娠初期に中程度飲用することは妊娠糖尿病とあまり関係がないと考えられます。むしろ他の研究では、妊娠中にコーヒーを飲むと生まれてきた子どもが肥満となる可能性を高めるという報告もあります。
そのため、妊娠中のコーヒーの飲用は控えたほうが無難かもしれません。