コーヒー愛飲者は要注意?「カフェイン中毒」と診断される日がやってくるかも!?
「私、カフェイン中毒なんだよね。コーヒー飲まないと調子が出なくて。」
あなたの友人がそう話したとします。
でも、あなたは「大丈夫?病院に行った方がいいよ。」と助言するでしょうか。
あくまでも「カフェイン中毒」というのは日本では造語のようなもので、カフェインの効果に頼りすぎている、もしくはコーヒーが大好きでつい飲み過ぎてしまうということを表現したもの。
もちろん「アルコール中毒」や「薬物中毒」とは全く別物で、これらのように死に至るような深刻なイメージはあまりありません。
しかし、アメリカでは、コーヒー愛飲者が病院に行くと「カフェイン中毒です」と医師に診断される場合があるのです。
アメリカでは近年より「カフェイン中毒」と正式に診断できることになりました。
米精神医学界による「精神障害の診断と統計マニュアル」に診断名として追加されたためです。
「カフェイン中毒」という症状が存在するのなら、その摂取に気を使わなくてはならざるを得ません。
コーヒーや紅茶を飲まなければ決してカフェイン中毒にならずに済みますが、それらの飲用は生活の楽しみのひとつ。全く排除するのは考え物です。
では、具体的にどのように気をつけたらよいのでしょうか。
過剰摂取となる飲用量とは
専門家のマシュー・ジョンソン教授(ジョンズ・ホプキンス大学、アメリカ)は、1日の飲用が4杯未満で副作用がない場合は心配ないとしています。
この場合、1杯8オンス(スターバックスのショートサイズと同量)とし、400ミリグラムのカフェインが含まれているとします。
もちろん個人差があり、少量でも気持ちが悪くなる人、5杯飲んでも平気な人もいます。
多くのカフェインを含むエネルギー飲料のRed Bull(レッドブル)のようなものを大量に飲んだり、コーヒーを1日100杯以上飲むことがなければ、過剰摂取とはならないと同博士は言います。
第一そのような飲み方を試みようとすれば、10杯にも満たないうちに体が拒否反応を起こすでしょう。
適量なら眠気を覚ましてすっきりした気分にしてくれるコーヒーです。
何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。
コーヒーが苦手な人が無理に飲むことはないにしても、カフェインには適度に頼るようにしたいですね。
どのようにカフェインが精神に影響するのか
カフェインを含むコーヒーなどを摂取すると神経質になったり、興奮しすぎたり、不眠症を招いたりすることがあります。
これは、カフェインが原因で脳内の興奮性神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンが抑制されていないことで起こる症状です。
通常、神経調節物質アデノシンがドーパミン等を抑制していますが、カフェインがその機能を阻んでしまうのです。
少量でもその状態を招くとのこと。
ですから、「なんとなく落ち着かないな」と思うときは、コーヒーの飲用を控えた方がいいかもしれません。
その他、コーヒーの健康への影響は
コーヒーの健康効果の研究は日々議論されています。
コーヒーにはダイエット効果があるという報告の一方で、プレスで淹れたコーヒーやトルココーヒーなどフィルターを通していないものは悪玉コレステロールを増加させるとの研究結果があります。
死亡リスクに関する研究は、コーヒーを最大6杯飲むとリスクが高まるというもの、55歳未満の人が1日5杯以上飲むとリスクが高まるというものなど、結果が一定ではありません。
このため、前出のジョンソン博士は、自身の研究を最終的な結論とはしがたいとしています。
うつ病とコーヒーの関係についての研究でも、パニック発作がおきやすい患者はカフェインを摂取しないほうがよいとされていますが、2~4杯のコーヒーの飲用ならうつ症状がやや軽くなるという研究結果もあるとか。
これは神経伝達物質グルタメートがカフェインの影響を受けるためなのだそうです。
今後どんな研究結果が報告されるかはわかりませんが、生活に潤いを与えてくれるコーヒーとは、お酒と同じく上手にお付き合いしてゆきたいものです。