焙煎の深さの度合いで生じる味の違いについて
焙煎の深さによってコーヒーの味は異なります。
一般的に、浅煎りは酸味が強く、深煎りは苦味が強いコーヒーになります。浅煎りは酸味以外の味が引き出される以前の段階になるため、相対的に酸味が目立ってしまうのです。ハイからシティロースト(中煎り~深中煎り)になると、他の味が出てきて、酸味と一体になっていきます。
しかし、同じ焙煎度合いでも焙煎時間によって味が変化します。焙煎時間が短いと酸味が強く、長くすると豆の色がこげ茶でも、苦味が強くイタリアン・ローストのような味が出るように調整することができます。
生豆が甘味系なら、浅煎りでは味は薄く、酸味が少しだけ残ったり、青臭さが消えないときもあります。この時はダブルローストするといいでしょう。甘味系の生豆は焙煎のピークが分かりにくいですが、よく観察していると、一瞬パッと明るくなる時があり、このタイミングが完煎のシグナル、これを過ぎると、持ち味の甘味は失われてしまいます。
甘みは、苦味・酸味が両方とも少ない焙煎ポイントで感じることができます。甘味を感じられるところまで濃度を高め、高濃度抽出すれば、甘味のあるコーヒーができます。
焙煎のピークは分かりにくいですが、よく観察していると一瞬ぱっと明るくなる時があり、このタイミングが煎り終わった合図になります。
ただし、85℃以上の温度で抽出してしまうと、苦味が強調されてしまうため、80℃前後のお湯で高濃度に抽出すると、より甘みを引き出すことができます。