『焙煎したての豆』でコーヒーを淹れてはいけない理由とは?
スターバックスジャパンが完全にアメリカのスターバックス本社の子会社になってから、日本のスターバックスでもいろいろな変化が起きています。
先日、ハワード・シュルツCEO自ら来日して発表した「スターバックス リザーブ ロースタリー」の東京への進出もそうした変化の一つかもしれません。
「スターバックス リザーブ ロースタリー」は、カフェと焙煎工場が併設されている施設で、プレスリリースによると東京店は建築家の隈研吾氏とのコラボレーションにより設計され、またイタリア料理のロッコ・プリンチ氏監修のフードメニューやパンも取り扱われる予定とのこと。
スターバックス公式サイトのプレスリリースには、1号店であるシアトル店の画像も載せられていますが、工場というよりは現代アートのようなオサレ空間にカウンターが設えられています。
しかし、規模はともかく店内で焙煎し、その豆で淹れたコーヒーを提供している店など日本ではたいして珍しくもないですよね。
一つ気になったのが、この「スターバックス リザーブ ロースタリー」東京店オープン発表を扱った記事に「焙煎したての豆で淹れたコーヒーを楽しめる」というような論調のものが多いこと。
でも、プレスリリースには「コーヒーの焙煎と抽出を五感で感じながら」とは書いてあっても「焙煎したての豆で淹れたコーヒーを提供」などという趣旨のことは書いてありません。
それは当然、そんなことはありえないのですから・・・。
普通焙煎したての豆をその場で挽いてコーヒーを淹れるなんてことはしません。なぜなら、焙煎直後の豆には炭酸ガスが多量に含まれており、その時点で淹れるとおいしいコーヒーにならないから。
豆の焙煎後は数日間置き、ある程度ガスを放出させてからが飲み頃となります。
この日数については2~3日という人もいれば4~5日という人もおり、おそらく焙煎度合いによっても変わってくるでしょう。
ですから、「焙煎したて」の豆を楽しめるなどと書くのはコーヒーのことを知らない人。その記事に信憑性はあるのでしょうか?