バッハも、ベートーヴェンもコーヒー好きだった!天才とコーヒーの関係とは?
コーヒー通なら一度は耳にしたことがあるであろう「カフェ・バッハ」
東京は山谷にある自家焙煎コーヒー店であり、コーヒーファンの間では「聖地」とされているとか。
音楽家バッハがゆったりとコーヒーを飲んでいる看板が印象的です。
ところで、バッハとコーヒーは、どのような関係があるのでしょうか。
17世紀から18世紀にかけてドイツで活躍した音楽家のバッハは、当時コーヒーを題材にしたカンタータ(伴奏つきの声楽作品)をつくっています。
「おしゃべりはやめて、お静かに」というカンタータ、これはコーヒーが大好きな娘に対し、父親がなんとかコーヒーを飲むのをやめさせようとする様子をコミカルに描いた作品で、別名「コーヒー・カンタータ」と呼ばれています。
バッハの時代はコーヒー依存症が社会問題となっていたとか。それを風刺した喜劇として、後世に残されています。
そして、バッハ自身もコーヒーが大好きな人物だったとのこと。
朝から晩まで数十杯もコーヒーを飲んでいたそうです。
彼の遺品には、楽譜やワイングラスとともに、コーヒーポットやカップもあったそうです。
コーヒーの独特の香りや味わいが、数々の名曲を生み出す糧となったのでしょうか。
馥郁たる芳香、独特の琥珀色・・・天才に好まれる魅惑の飲み物だったのでしょう。
そして、ドイツの偉大な天才音楽家といえばもう一人、忘れてはならないのがベートーヴェンです。
ベートーヴェンには、コーヒーを淹れるとき、驚くべき「儀式」を行っていました。
それは、コーヒー豆をちょうど「60粒」数えてたものを挽いていたということ。
58粒や61粒など、おおむね60粒程度でも許さず、必ず60粒ちょうどでなければならなかったとか。
毎朝コーヒーを飲んでいたというベートーヴェン。
彼の大事な「朝の儀式」だったのでしょう。
また、コーヒー好きの天才と言えば、「ゴリオ爺さん」などの作品を残したフランスの小説家バルザック。
なんと、執筆の傍ら1日80杯ほどコーヒーを飲んでいたそう。
著書の中でも、仕事の能率を高めてくれるコーヒーの効能を絶賛していたとか。
主に夜中に仕事をしていたということですから、彼にとってなくてはならない飲み物だったのでしょう。
後世まで「天才」と語り継がれている大作家ですが、その執筆スタイルは到底真似できないものでしょう。
バッハのようにコーヒー好きが高じてそれを題材に創作してしまう天才もいれば、ベートーヴェンのようにストイックにコーヒーと接する天才もいます。
そしてバルザックのように、破壊的ともいえる飲み方をしながら大作品を創り上げる天才もいます。
天才とコーヒーの関係は、切っても切れない関係ながら、接し方は人それぞれのようですね。
クラシック音楽を聞きながら、または小説を読みふけりながら、遠い昔の天才たちを思い浮かべながらじっくりとコーヒーを味わってみたいものです。
「音楽の父」バッハもこの芳香を味わったのでは、と思いを馳せればきっと、いつもと違う味わいを覚えることでしょう。