段階別に見る自分好みのコーヒー豆入手法

日本式の仕事が丁寧なこだわりのコーヒー店がモデルという「サードウェーブ」カフェが日本に逆輸入という形で上陸し、わりと地味に広まりつつあるようです。元々日本のコーヒー店が元祖ですから、日本で受け入れられるのは当然のことかもしれません。

サードウェーブのカフェや、「こだわりオヤジ」のコーヒー店の味は、自宅で出すのは難しそうに思えます。確かに100%プロの味を再現するのは難しとは思いますが、その味に近づいたおいしさのコーヒーを自宅で淹れるのは不可能なことではありません。そのポイントとなるのがやはり「豆選び」。

基本編

豆を選ぶ以前に基本となるのが、粉にひいたものではなく、豆のまま買うということ。コーヒー豆は焙煎が終わった瞬間から酸化が始まるといわれています。

酸化は空気に触れることで起こりますので、空気に触れる量が豆より多くなる粉の状態では酸化の進行速度がはやくなりますから、粉で買うよりも豆のまま買い、淹れる都度粉にしたほうが味の劣化を遅らせることができます。

初級編

スターバックスやサードウェーブのカフェでは基本的に豆の販売も行っています。産地や種類の知識がなくても、お店で飲んだ味が気に入ったら、そこで使われる豆を購入すればよいのです。それに、酸味があるほうがよいとか、コクがあるほうがよいなどといった好みを伝えれば、好みに合った豆を選んでくれるでしょう。

中級編

ある程度自分の好みの産地、種類、焙煎の度合いなどがわかってきたら、店舗で自家焙煎をしている専門店を探してみましょう。最近は生豆から注文に応じてその場で焙煎してくれるお店も珍しくなくなってきました。

ただし、自家焙煎をしている店といっても、注文を受けてから焙煎してくれる店と、焙煎した豆を作り置きして売っている店があるので、注文を受けてから焙煎してくれる店を探したほうがいいでしょう。

また、焙煎前の豆も時間が経てば劣化します。客の回転が早いお店のほうが、常に新鮮な豆を用意している可能性が高くなります。

焙煎の度合いはもちろん好みに合わせて選べます。ただ、豆に応じてお店の裁量で焙煎度合いをお任せにできるお店もあるので、まずお任せでやってもらって、そこを基準にするという手もあります。

プロにお任せしたほうが、自分の好みの焙煎度合いより美味しかったという、思いがけない経験をすることもあります。

ただ、私の経験から言うと、自家焙煎をしているようなお店にはまれに「コーヒーオタク」のような、知識がない客に対して見下したような態度をとる店員がいる場合があるので、そのような店は避け、親切な対応をしてくれるお店を選びましょう。

上級編

直火焙煎は技術がいるし、においも煙もすごいのでプロにお任せすべきところ。しかし、家庭用の焙煎マシンを使えば、生豆さえ手に入るなら自宅で自分好みの焙煎をすることができます。実際、コーヒー好きも極めて来ると焙煎マシンまで購入してしまう人も少なくないようです。

コーヒーの好みは人それぞれ。浅煎りが好きな人もいれば深煎りじゃないと嫌だという人もいます。だから、「コーヒー本来の味を味わうためにはライトローストが最適(キリッ)」とか言われても大きなお世話ですよね。その点、自宅で焙煎できれば、いくらでも自分好みの焙煎度合いにすることができます。

それに、専門店では焙煎してくれる最低量というものがあり、例えば200gからの販売であれば、200g分同じ味が続くことになります。しかし、自宅で焙煎すれば少量ずつ違う焙煎度合いにして味の違いを楽しむこともできます。

自宅近所に生豆を販売しているお店があれば最高ですが、今は生豆も通販で購入できる時代なので、それほど苦労せずに入手できるはずですから、挑戦してみてはいかがでしょう。

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