世界にある多様なコーヒー文化 受け入れたほうが楽しいでしょ

以前井沢元彦という作家が、日本の歴史学は「ビーフカレー」のようなもので、つまり本来ありえない価値観によって作られていると主張しているものを読んで疑問に思ったもの。

確かにインド人の9割とも言われるヒンドゥー教徒は牛を食べません。牛はシヴァの乗り物であり、牛自体も聖なる獣と考えるため。

しかし、インドにもムスリムがおり、そもそもイスラムの国であるパキスタンやバングラデシュもインドから独立した国。

ムスリムにとって牛は別に聖なるものではないため、普通にビーフカレーを食べます。

「インドにはヒンドゥー教徒しかいないからビーフカレーはありえない」という非常に狭く偏った主張は、要するにインドの大雑把な歴史すら知らないということで、そんな彼に歴史を云々する資格はありません。

ただ、こうした無知ゆえに偏った主張を「これこそが正しい」と振りかざすのは、井沢氏だけではなく日本人の宿痾といったものでしょう。

それはコーヒーにおいてもしばしば見られます。

日本人にはコーヒー好きが多いですが、ネルドリップでなければ本当のコーヒーの味は出せないとか、そういう偏狭な考えの人も多いようです。

しかし、コーヒーというのは人類が飲用するようになってから非常に歴史が長い飲み物。世界各国に広がり、その国ならではの飲み方というものも存在します。

そういう世界各国の様々なコーヒー文化を知れば視野が広くなり、一方的な「正しいコーヒー」とやらの決めつけもなくなると思うのですが・・・。

例えばベトナムでは、バターを加えたフレンチローストの豆で淹れた濃厚なコーヒーを、甘い練乳と混ぜて飲みます。

ベトナムにはフランスの植民地時代にコーヒー文化が伝わりましたが、カフェオレを作ろうとしても新鮮な牛乳を調達できなかったため、保存性がよい練乳を代用品として使うようになったと言われています。

モロッコにはナツメグやカルダモンなど数種類のスパイスを加えたコーヒーがあります。これなど日本の「コーヒー道」的な偏狭な考え方の人が知ったら香りが台無しだなどと発狂しそう・・・。

イタリアにはアフォガードという、ジェラートにエスプレッソをかけたものがあります。こちらはどちらかというとコーヒーを飲むためではなくアイスクリームを食べるのが主となるものです。

フィンランドやスウェーデンには、分離させた乳タンパクを焼いたチーズをコーヒーに混ぜ、チーズをすくって食べながら飲むというコーヒー文化があります。

このチーズはカフェオスト=コーヒーチーズとも呼ばれていて、それだけコーヒーにはつきもののチーズとなっているわけです。

スカンディナヴィア諸国のもう一つの国・ノルウェーでも、ヤギの乳から作ったブラウンチーズをコーヒーのお供にするのが好まれるようです。

ここで取り上げたコーヒー文化はまだ一部。他にもいろいろな国に様々な個性的な文化があります。

そうしたものを否定せず、多様性を受け入れたほうがより豊かな人生を楽しめると思うのですが、いかがでしょうか?

関連記事

おすすめ記事

ページ上部へ戻る