フィーカというスウェーデンのコーヒー文化に私たちが学ぶこと

世界中のいたるところでコーヒー文化は存在します。イタリアの場合、カプチーノは朝だけのものという文化があり、ベトナムの場合ではコーヒーには甘い練乳の層がつきものです。

ヨーロッパの様々な地域の中では、コーヒーはスタンディングのカフェで素早く消費されますが、アメリカなどでは自分好みにカスタマイズした甘いデザートのようなコーヒー飲料をテイクアウトします。

そしてスウェーデンにも独特なコーヒー文化があります。『フィーカ:スウェーデンのコーヒー休憩の芸術』という本はそのスウェーデンの文化を紹介する本。2014年4月7日に出版されたこの本にはアンナ・ブローンズが文章を書き、ヨハンナ・キンドヴァルが挿絵をデザインしてそして二人でレシピを書き上げたという重要な伝統を表現した本となっています。

フィーカには「コーヒーを飲むこと」という意味がありますが、それよりもずっと多くの意味を含んでいるとこの本で紹介されています。

スウェーデンではフィーカの伝統は朝食と同じくらい一般的なものであり、ほとんど全ての人が1日に最低でも1回は行うものだと説明しています。フィーカにはものごとを計画する時や、仕事の合間だったり自宅で過ごす安らいだ週末にも織り込まれていて、スウェーデンの人にとってフィーカがない人生は考えられないと言います。

コーヒーはとても定番な飲み物ですが紅茶もまた一般的。飲み物とともに軽食を傍らにおいて食べることが習慣ですが、飲み物だけで楽しむこともあります。また、人々はこの毎日の習慣を自分だけで行ったり、仲間などほかの人々と一緒に行うこともあります。

このようにフィーカとは様々な形態をとっていますが、要は人々が1日の中で意識的に時間を割いているということです。休憩する時間を作ることや落ち着く時間を作るという意識は、スウェーデンでは国全体を通して尊重されているのです。

この本ではスウェーデンのコーヒー休憩の時間に食べられる典型的な軽食のレシピがいくつか紹介されています。このメニューの中には珍しい朝食のメニューやパンやサンドイッチなどが含まれます。シナモン・ロールやカルダモンのケーキ、パリパリとしたオーツ麦のチョコレートサンドイッチクッキー、いちじくのスクエアなどがその典型的で定番メニューの一部。

最近ではヘーゼルナッツのコーヒークッキーやアーモンドタルト、粘り気のあるチョコレートクッキー、手早く作ることができる丸パンなどを好む人が増えていると言います。

また、本の中では屋外でフィーカを楽しむ方法について記述されている章もあります。例えばルバーブ・ジュースと共に出されるシナモン・ロールは午後の暖かい時間に最高の組み合わせ。一風変わった文章や遊び心のある挿絵がふんだんに盛り込まれたこの本は、フィーカの伝統そのものと同じくらい魅力的な本に仕上がっています。

もしあなたがニューヨークに住んでいたり、訪れる機会があるのであればフィーカ・カフェと呼ばれるスェーデン風のコーヒーショップを、街の中のいたるところで見つけることが出来るでしょう。しかし、この本の助けを借りれば、誰でも簡単に自宅でフィーカの文化を体験することができます。もっとも、最高の方法は言わずもがなですが実際にスウェーデンを訪れることと言えるでしょう。

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