コーヒーの香りが視覚化されてもどんな香りかわからないので意味がない
日本中というか、その気になれば日本国外からもコーヒー豆を購入できる時代になりました。
筆者自身もわりと頻繁にネット通販でコーヒー豆を購入しています。特に、近所のお店では買えないようなアジア各国産の豆を買うには通販に頼るしかないことがあります。
筆者はコーヒーの香りについてはあまりこだわりがなく、というよりそんなに繊細な嗅覚を持っていないので、どんな産地の豆でも「いい香りだなあ」ぐらいしか思いません。ですから、香りがわからない通販で買うことに、特に躊躇はありません。
その点、コーヒーの香りの違いを嗅ぎ分けられるようなタイプの敏感な嗅覚の持ち主はどうなんでしょうか?香りがわからないから通販ではコーヒー豆は買わないなどという人はいるのでしょうか?
東京にアロマビットというベンチャー企業があります。
この会社は、公式サイトによれば「小型ニオイセンサーを主体とする電子機器・システムの開発、製造、販売」を事業内容としています。特に、匂いを可視化するというサービスを推進している模様。
アロマビットはその事業の一環として、可視化した香りで商品を選べるという通販サイトmiluniohttp://www.milunio.comをオープンさせました。
第一弾商品として久光珈琲株式会社から15種類のコーヒー豆が販売されています。
サイトを訪れると、通常の通販サイトでは商品画像が貼られているような部分に、コーヒー豆の香りを可視化したという大小の水色のドットが並んでいる画像がついています。
アニメ『CANAAN』の主人公・カナンは、音が色として見えるという共感覚の持ち主でした。共感覚を持つ人は現実にもいるようですが、そういう人なら可視化された香りを見て香り自体をイメージできるのでしょうか?
ただコレ、正直企画倒れだと思うのです。
可視化したと言われても、このドットの並びを見て香りのイメージなど湧きません。それであれば普通のコーヒー豆の通販サイトのように、酸味とか苦味とかコクを5段階ぐらいで出してもらったほうがわかりやすい。
milunioでは今後、チョコレートや紅茶、チーズなども販売する予定のようですが、まあVR技術でコード化した香りを再現できるなどという技術が開発されでもしない限り、ここで香りがわかるから買うという人はいないでしょうね。