なぜコーヒーを飲むと眠気が覚めるのか?

あなたは仕事中や勉強中、運転中などの眠気覚ましには何を使っていますか?真っ先に思い浮かぶのは「コーヒー」ではないでしょうか。コーヒーには確かに覚醒効果があると言われていますが、改めてそのメカニズムなどに迫り、なぜコーヒーで目が覚めるのか見てみましょう。

コーヒーは優れた眠気覚まし方法として改めて考える

朝目が覚めたときや仕事に入る前、昼食後や午後の眠気対策にと、日常の中でコーヒーの味と香りと一日中一緒にいるという方も多いのではないでしょうか。コーヒーを飲むと眠気が覚め、シャキっとして集中できるので、ビジネスシーンには欠かせない飲み物だと言えます。

ところで、なぜコーヒーを飲むと眠気が覚めるのかご存知でしょうか?コーヒーに含まれるカフェインの影響であることは多くの人が知っていると思いますが、このカフェインがどのように作用するのかについては知らない方も多いと思います。

人が眠気を感じる際には、40種類ほどの睡眠物質が影響していると言われていて、その中でも有名なのが「アデノシン」という物質。

カフェインはこの「アデノシン」という神経伝達物質ととても構造が似ているため、アデノシンに代わって動くことが可能。つまり、アデノシンによって睡眠中枢に伝達される「そろそろ眠ったほうが良い」という情報の伝達を妨害することができ、その情報が脳に伝わりにくくなって眠気を感じなくなるのです。

目覚めやすいのはホットかアイスか?

このような作用を持つカフェインを含んでいるコーヒーは、飲んでいから30分程度経った頃が一番覚醒効果が現れ、そしてその効果は4~5時間程度継続します。しかし同じコーヒーを飲むんだ場合でも、ホットの場合とアイスの場合では覚醒効果や持続時間に差があることが分かっています。

その理由には一般的にアイスコーヒーの方がホットコーヒーよりも含まれるカフェインの量が少ないことと、アイスコーヒーは温度が低いためにカフェインの血中濃度がゆるやかに上昇することが関係していると言われています。

カフェインの血中濃度が最大になるまでにかかる時間

ホットコーヒーの場合:飲んだあと約30分~1時間後
アイスコーヒーの場合:飲んだあと約1時間~2時間後

冷たいアイスコーヒーの場合、飲んだあとに小腸の粘膜に存在する毛細血管が収縮したり胃の機能が低下するために、血中濃度の上昇が緩やかになります。つまり、眠気を早く覚ましたい場合は、ホットコーヒーを飲むといいでしょう。

カフェインによる眠気覚ましは無制限ではない

前述したとおりコーヒーを飲めば、アデノシンの働きが抑制されるため脳は休憩すべきという判断をしなくなるために、眠気が起こらなくなります。しかしその効果は一時的なものであり、時間が経過すれば脳に「休憩が必要」という情報が伝わります。

つまり、カフェインには確かに覚醒効果がありますが、その効果には限界があるのです。一般的なカフェインの効果は4~5時間程度と言われていますが、人よりも新陳代謝の活発な人はさらに短い1~2時間程度の効果が限界であると言われています。

仕事や運転しているときにカフェインによって目を覚ますことができるのは、限定的な時間であるとしっかり理解しておきましょう。

コーヒーの眠気覚まし効果について改めて理解し、日々の生活の中で効率的に活用していきましょう。

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