コーヒーから見える物理学。あの「白い膜」をご存じですか?
ブラックコーヒーから立つ湯気は、その温度の熱さを伝えてくれます。
しかし、よく見ると、湯気とは違う「白くてもやもやしている膜」の正体に気が付いているでしょうか?
「全然、気にしたことがなかった・・・。」
「いや、小学生の頃から、父親の飲むコーヒーをじっと見ながら気になっていた。」
意見は分かれるようです。
その「白い膜」、コーヒーだけではなくお湯でも見られます。色が黒いコーヒーだからこそ、見つけやすい現象といえるでしょう。
もしもあなたがその「白い膜」の存在に前々から気が付いていたとすれば、物理の才能があるかもしれません。
京都大学の研究者たちがその「白い膜」の謎をついに解明したとのニュースが舞い込んできました。
高性能のカメラで湯の表面を撮影し、そこでどのような現象が起きているか検証したのです。
そこでは、ものすごく微小な水滴が、貼り付いているのではなく、湯の表面より少しだけ宙に浮いていたとのことです。
水滴といってももちろん目に見える大きさではなく直径10マイクロメートル。
ちなみに1マイクロメートルは、1ミリの千分の1、つまり0.001ミリメートルということですから、超・微小な水滴ですね。
また、宙に浮いているといっても、10~100マイクロメートルの高さに浮いている、ということですから、普通の感覚では貼り付いているのと同じといえます。
そしてその粒は、「三角格子状」に並んでいるとか。
つまり、並ぶときに前列の後ろに揃えて並ぶのではなく、前列の間と間に並ぶ形です。
なぜ、三角格子状なのか、なぜ表面に浮かび上がっているのか・・・まだそのあたりは解っていないようです。
おそらく静電気のようなものとは考えられているようです。
「そんなに奥深いものなら、私も見てみたい!」
そう思えてきますね。では、今度スターバックスに行ったときはぜひ「ドリップコーヒー」を注文して下さい。
店員さんから受け取ったら、なるべく早く、動かさず、他のお客さんとぶつからないよう気を付けて、その表面をじっと見てみて下さい。
泡立つエスプレッソではなく、あくまでも、ブラックのドリップコーヒーを選ぶのがコツです。
あなたもその白いもやもやの膜にきっと出会えるはず。
コーヒー上の物理現象に、あなたもはまってしまうかもしれませんね。