コーヒーのパッケージは進化している!!
すぐに移し替えることを前提とした包装では、コーヒーの香りが漏れるものもあります。このようにガスバリア性が低い、成分が透過しやすい包材では、外部からの酸素や水分そして匂いからコーヒーを守ることはできません。
長期保存を考えるのであれば、ガスバリア性の高い包材を選ぶ必要があります。コーヒーの包材として、従来は缶などが用いられてきました。しかし近年、フレキシブルパッケージング(軟包装)への移行が急速に進んでいます。
それに伴って、さまざまな性質を持ったフィルムを貼りあわせてつくった、優れた特性を持つ包材が出回るようになってきました。
包材用のフィルムの一般的な構造は、一番外側に強度の高いポリエステル(PET)やナイロンなどが使用されています。一番内側には熱で簡単に溶けてシールドしやすいポリエチレン(PE)やポリプロピレンなどが使用されています。
ポリエチレンは通気性・防湿性が高く熱に弱い低密度ポリエチレンと、防湿性が良く、熱に強い高密度ポリエチレンがあります。
ポリプロピレンは防湿性は優れていますが柔軟性が無く、衝撃に弱いという欠点があります。
そして中間層として、アルミ箔やアルミ蒸着ポリエステル、エチレン・ビニルアルコール共重合体など、バリア性の高いフィルムを挟んでいます。
ポリエステルは耐熱性が高く、香りの保存にも優れています。しかしガス遮断性や防湿性はそれほど高くありません。
アルミニウム箔はガスも水蒸気も通さないため、一番外と内のフィルムの間に使われます。防湿性、遮光性に優れています。
各層のフィルムはドライラミネートという方法で貼り合わせることが多く、インクや接着剤の残留溶剤が異臭となることがあります。また形状によっては密封しにくいこともあるため、フィルムの選択やシール作業ともに十分な注意が必要です。包材のロット(製造番号)を変更する際も同様に注意が必要。
また近年の傾向として、ダイオキシン発生のおそれのある塩化ビニルなどの塩素系ポリマーが使われなくなりました。