苦いコーヒーの理由は色素が大きいから?

一口に「コーヒーが好き」と言っても好みは様々です。コーヒーの苦みを味わうためにブラックコーヒーしか飲まない人もいれば、反対にミルクの入ったものしか飲まない人もいます。どちらが通だ、とも一概には言えません。

このコーヒーの苦みというのは、いったい何なのでしょうか?

コーヒーの成分として有名なのがカフェインです。一般的に、カフェインが苦みのもとだと思われがちですが、正確には苦みの大半はカフェイン以外の要素です。カフェインの苦みは、苦みとして感じられる成分の10分の1程度のウエイトに過ぎないと言われています。

そのためカフェインレスコーヒーでも苦みはあります。また、焙煎度によって苦さや酸味は変化しますが、カフェインの濃度はほぼ一定です。

苦さを占める大部分は褐色色素です。褐色色素はコーヒー豆の焙煎の度合いによって大きさが変化し、大きくなるほど苦みが強くなります。焙煎が深くなるほどに大きくなりますから、浅煎りより深煎りの方が苦みを強く感じるというわけです。

缶コーヒーの宣伝などでアラビカ種という単語を聞いた覚えがあると思います。飲用目的で取引されるコーヒー豆には、アラビカ種とカネフォラ種(ロブスタ)の2種類しかありません。

モカ、ブルーマウンテン、キリマンジャロなど、ストレートで味わう銘柄は全てアラビカ種です。いっぽうで独特な風味が特徴のカネフォラ種は安価で、主にインスタントコーヒーや缶コーヒー、ブレンド用として使われます。

この2種類は苦みの強さや質が違います。カネフォラ種は大きな色素が作られやすい特性があります。少糖類の含有率が低いので、焙煎時にあまりカラメル化しないからです。そのため焙煎度が低くても苦みの質が重くなりがちです。

ブレンドコーヒーを飲んで苦いと感じたら、カネフォラ種が多く配合されているのかもしれません。また、麦に似た味がします。

苦みのもととして他に、ジケトピペラジンという物質があります。これはアミノ酸やタンパク質が加熱されたときにできる物質で、二つのアミノ酸のくっつき方によって苦みの強さが変化します。この物質はコーヒーのほかにココアや黒ビールなどにも入っています。

苦みの強さや質は豆の種類や焙煎の度合いや焙煎方法、抽出の仕方によって変わります。同じ銘柄でもお店によってコーヒーの苦みが異なるのは、こういった事情によるものです。

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