デカフェって?コーヒーからカフェインを取り除く方法

コーヒーは飲みたいけどカフェインのとり過ぎが心配・・・、という方におすすめなのが、カフェインレスコーヒー。最近ではインスタントコーヒーでもカフェインレスが市販されていますし、コーヒーショップでは「デカフェ」として売られています。体調の変化や妊娠などによって好きなコーヒーを飲めなくなってしまった方にありがたい存在と言えるでしょう。

カフェインレスコーヒーあるいはデカフェと表示されるものは、カフェインを90%以上取り除いたコーヒーを指します。完全に除去されているわけではないことにご注意ください。

それにしても、取り除くとはどういうことでしょうか?そんなことができるのか、と不思議な気もしますね。ここではその取り除き方をご紹介します。コーヒーへの関心を高めるきっかけにしてもらえると幸いです。

カフェインを取り除くには、以前は有機溶媒を使うのが主流でした。ですがその方法ですと、コーヒーに溶媒が残ってしまい、発がん性が疑われたために現在は禁止されています。代わって主流になったのが、水を使った方法と、二酸化炭素を使った方法。

有機溶媒と聞くより、水と聞いた方が安心感がありますよね。ただし簡単ではありません。カフェインは水に溶けにくい物質です。いっぽうでコーヒーの独特な風味のもととなるアミノ酸、少糖類、クロロゲン酸類などは水に溶けやすい性質を持っています。そのため従来の方法では、カフェインより先に失いたくない成分が溶け出してしまうという問題点がありました。

これを解決したのが「スイスウォーター式」です。皆さん、理科の実験で水に角砂糖を溶かした覚えがありませんか?ただの水に角砂糖を入れると溶けます。ですが、もともと砂糖が溶け込んでいる水では、それ以上角砂糖を入れても溶けません。

それと同じ理屈です。あらかじめ水にアミノ酸など、溶けてほしくない成分を目一杯溶かし込んでおくのです。そこにコーヒーの生豆を入れると、それらの成分は溶けずにカフェインだけが水に溶け出ます。ただし一回ではそれほど溶けませんので、これを繰り返してカフェインを取り除いていきます。

二酸化炭素を使った方法では、圧力と温度を利用して効率よく溶かし出します。これには二酸化炭素を液体にした状態で使う方法と、気体と液体の両方の性質を持った「超臨界」の状態で使う方法とがあります。

比較すると、超臨界の方がカフェインはよりよく取り除かれます。反対に液体の方では、除去率は低くなるもののコーヒーの風味が損なわれにくいというメリットがあります。

カフェインレスコーヒーを選ばれる際には、少しだけこのことを思い出してみてください。

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