ジ?モノ?コーヒーに含まれるクロロゲン酸とは
クロロゲン酸という物質をご存じでしょうか。近頃その抗酸化作用などが注目を集めている物質で、コーヒータンニンやコーヒーポリフェノールとも呼ばれます。
クロロゲン酸は、コーヒー酸とキナ酸がくっついた構造の物質です。2つの酸がどの部位でくっつくのか、また1対1でくっつくのかそれとも2対1でくっつくのか、それによって多少異なる物質になります。また、コーヒー酸の構造が一部違っていることもあります。
これらの似た物質をまとめてクロロゲン酸類と呼びます。コーヒーの生豆に含まれる成分としては、10種類以上のクロロゲン酸類があることがわかっています。
コーヒー酸とキナ酸が1対1でくっついたものをモノクロロゲン酸、2対1でくっついたものをジクロロゲン酸といいます。
木になっている状態のコーヒーの果実のなかでは、ジクロロゲン酸が成熟していくうちにモノクロロゲン酸に変わる変化が起きています。そのため、ジクロロゲン酸に対するモノクロロゲン酸の比率が高いほど、成熟度が高いとわかります。
これは調べるとはっきり数値に現れます。同じ木の若い果実と完熟果実、その中間のものを比べると熟度が上がるにつれてモノクロロゲン酸の比率が大きくなるのです。
ジクロロゲン酸とモノクロロゲン酸の比率の違いは、味の違いとしても感じられます。ジクロロゲン酸には、舌に残るメタリックな渋みがあります。決して心地よい味ではなく、これが多いとコーヒーの味を損なってしまいます。
コーヒーにはアラビカ種とカネフォラ種があります。2つは味が異なるのですが、カネフォラ種の方がクロロゲン酸の含有率が高くなっています。詳しく調べると、カネフォラ種にはジクロロゲン酸が多く含まれています。このことによって両者の味の違いは生まれるようです。
コーヒーに含まれるポリフェノールといえば糖尿病や動脈硬化の予防、美肌やダイエットに効果があるとされています。ただしコーヒーには健康に有益な成分だけが含まれているわけではありませんから、飲みすぎには注意しましょう。