コーヒーの輸送は飛行機?それとも船?
生豆の輸送は船便がほとんどです。
コーヒーの生豆は生産国もしくはその近隣国でコンテナに詰められ、輸出されます。
コーヒーは数十キロ程度に小分けして容器に詰め、それをコンテナに詰め込んでいくのですが、コンテナそのものと同じ程度の大きさの袋が使われることもあります。
コーヒーを小分けする容器には、さまざまなものがあります。
一般的には、麻やサイザル麻(麻の仲間ではありません)で編んだ、いわゆる麻袋(またい)が使用されます。
250袋くらいを一つのコンテナに詰めます。
一つの袋の容量は45キロ(ハワイ)、60キロ(ブラジルなど)、69キロ(中米)、70キロ(コロンビア)など、国によります。
コーヒー生産国を訪れると、細身の男性が重い麻袋を軽々と担いでコンテナに詰め込む様子を見ることができます。たいへんな重労働ですが、労働の対価はごくわずかであるのが現状。
特殊なものとしては、ジャマイカのブルーマウンテンのように樽に詰めることがあり、インドネシアやイエメンなどではかごに詰めることもあります。
最近では日本の自家焙煎店などで使いやすい、10~15キロ程度の小さな麻袋が使用されることも増えてきました。たまに、この麻袋をそのままお店のインテリアに使っているのを見かけることがあります。
コンテナには二種類あり、空調の機能のないドライコンテナと、空調付きのリーファーコンテナとがあります。
主に使われるのはドライコンテナですが、これは生豆の品質管理上あまりよい環境ではありません。生産地特有の湿気の多い暖かい空気を詰め込んだコンテナは、密閉されてから船積みされ、一ヵ月ほどかけて日本に運ばれてきます。
その間には毎日の温度変化と湿度変化もありますし、日本に近づくにつれ空気の温度が下がるわけですから、コンテナの中に結露が起こることもあります。
そこで最近では、温度・湿度の変化が少ないリーファーコンテナの利用も増えてきました。コンテナ自体の値段も高いし、詰める袋数も減るためコストとしては割高にはなりますが、生豆の品質の保持には有効。
コンテナ中の温度・湿度変化と輸送による品質の変化を比較してみると、やはりリーファーコンテナの方が品質を保つには優れているため、高品質の、高値で取引されるコーヒーではコストアップ以上の効果が期待できるのではないでしょうか。